株式投資で、空売り(ショート)を辞めた理由とは?
株式投資を行ていると、空売り(ショート)の取引が出来るようになれば、短期間で多くの額が儲かるのではと思っている人も多いのではないでしょうか。
確かに、株価が下落する際は、一気に下がってしまうこと多いです。
ですから、そのタイミングで空売りを行えば、短期間で大きな額を稼げそうに見えるかもしれません!
では、実際はどうなのでしょうか?
空売り(ショート)を始めた背景とは?
実は、私は、少し前までは空売りを多く行っていました。
それも、多くの取引を行っていたのは、2020年~2021年頃となります。
2020年、2021年と言えば、新型コロナに影響を受けて、マーケットに大量の資金が投入された時期になります!
更に、株価が下がれば日銀の買い支えが入りますので、どう考えても買い一本の方が儲かる相場でした・・
今は、全体の金融政策の動向を踏まえつつ、セクターローテーションなどを加味したうえで、原則としてはシンプルに強い銘柄に素直に乗っていく手法がメインとなっています。
ただ、この当時は、それ相応の考えがあって、空売りをメイン手法としていました。
先に伝えておきますが、かなりのブル相場でしたが、トータルでは利益を出しています。
ただ、結果としては、空売りメインは止めて、今では買いの方にシフトをしています。
それでは、なぜ、トータルでは利益が出るようになったのに買いの方にシフトしたのでしょうか?
そもそもですが、当時は株式投資を通じて月次レベルで収入を安定させたいと考えていました。
このまま社畜生活を続けて行く生活にも疑問があり、会社を辞めるには安定した月次の収入が必要と考えたからです。
そのため、これまでは中長期で取引を行っていたのですが、毎月いくら稼ぎたいいうスタンスで投資を行うためには、どうしても取引期間を短くしていく必要が生じて来ました!
とは言え、日中の時間帯はサラリーマンとして働いているので、スキャルピングやデイトレードは出来ません。
そのため、取引に占める割合のうち、スイングトレードの割合を徐々に増やして行くようにしていきました。
当然ですが、スイングトレードと言っても、期間も曖昧ですし、手法も数多くあります。
諸々、考えた結果、選んだ手法が空売りだったという訳です。
株価が下落する場合は、会社がつぶれない限りはゼロ円になることはありませんので、株価は一定程度で下落は収まってきます。
しかし、株価の上昇は青空となります。
例えば材料発表などで株価が上昇した場合は、あり得ないほどの高値まで跳ね上がってしまうことは多々あります。
とは言え、余りに乖離がありすぎると、株価は本源価値の方に収束してくるはずです!
つまり、買いで入った場合は、株価は底値でとどまってしまう可能性が高いのに対して、空売りで入った場合は乖離幅が大きすぎるので戻る必然性が強いと考えた訳です。
また、株価が下落する際は、大きな値幅を短期間で一気に下げてしまうため、損切幅が小さくなる位置でエントリー出来れば、短期間でリスクリワードの良い取引が出来ると考えた訳です。
上記より空売りの取引を徐々に増やして行くことにしました。
株式投資で空売り(ショート)が、割に合わない取引と考えた理由とは?
まずは、材料が出て株価が急騰したものの、材料の業績に対する寄与率に対して株価の上昇が大きすぎるものに絞って空売りを行いました。
しかし、踏み上げ相場の最中でエントリーしてしまい、多くの場合が損切りとなってしまいました。
損切幅を大きくして、反転を待つ戦略に切り替える
そのため、損切幅を大きくして、反転を待つ戦略に切り替えました。
確かに多くの場合は、プラスで終わることも多くなったのですが、こちらも割にあわない取引となってしまいました。
と言うのは、反転までに期間を多く要してしまいます。
高値に踏みあげられた銘柄は、売り残が多い銘柄も多く、逆日歩などを払い続ける場合も多くなります。
また、損切になった場合は、損切幅が大きくなってしまいますが、思いのほか一気に反転して下落するということは少ないため、リスクリワードの合わない取引になりがちでした。
と言うのは、損切幅を大きくしているため、エントリーポイントからの上場幅も大きくなることになります。
そのため、損切ポイントまでに反転した場合でも、そこから一気に反転して下落に転じない場合は、利幅が小さくなってしまいます。
と言うのは、利益を最大限に伸ばすために、逆指値を徐々に切り下げてトレンドフォローのように追って行くのですが、一気に下落相場に移行しない場合は、10%程度も下がると一時的に切り返すことが多くなります。
その場合、大抵の場合は逆指値に引っかかって、微収益で終わってしまうのです。
損切幅を小さくし、上値のレンジで利益を積み重ねる戦略に切り替える
こうした背景もあり、今度は、損切幅をかなり小さくし、上昇が一度落ち着いて、上値で株価がもみ合うのを待ってからエントリーを行うことを徹底するようにしました。
ダブルトップ、逆三尊などの最後の肩辺りでエントリーをし、上抜けたら損切をするように徹底しました。
しかし、結果としては、トレンド返還して下落に転じて大きな利益を得るというのは難しいものでした。
と言うのは、材料株などで高値に押し上げられた銘柄は、売り残が多いままになっていることも多く、高値で長く留まってしまうことも多くなりがちです。
とは言え、高値をブレイクするほどの勢いがなくなった銘柄の場合は、高値をブレイクして行くという勢いも弱くなっています。
そのため、高値でレンジ相場を形成することも多くなりがちです。
そのため、上値を何度も抑え込まれている高値のポイントで空売りのエントリーをした場合、10%程度は簡単に下がってくれますので、逆指値を徐々に下げて行けば数%位を継続的に抜いていくことは可能でした。
諸々、悪戦苦闘した結果、ブル相場にもかかわらず、何とか空売りでも、一取引当たり、数%位の利益を継続的に稼いで行けるようにはなりました。
トータルで利益が出るようになったなら、その取引を継続して行けば良いのではと思うかもしれません。
しかし、取引を継続し行く中で、危険と隣り合わせの取引であることが身に染みて痛感するようになって来ました!
と言うのは、発行株式数が小さな小型株を空売りする場合、高値で更なる材料が出たり需給に変動が生じると、踏み上げが生じてストップ高になってしまう危険性があります。
こうなると、損切をしたくても売買が成立しないので、損切すらもできません。
そして、数日ほどストップ高を食らってしまうと、一回の取引でこれまでの利益を全て吹き飛ばしてしまうくらいの損失を食らうことになります。
そのため、どうしても発行株式数の少ない銘柄を避ける必要が出てきます!
しかし、大型株で空売りをする場合、思いのほか株価は下がりません。
まあ、下がらないというよりは、大型株の場合は一つの材料で株価はそれほど変動しなくなるので、どちらかと言うと全体相場やセクターの資金循環の変動などに影響を受けがちになります。
このため、小さな損切を繰り返しつつ、株価の反転にタイミングが合えば一気に大きな利益を得るという戦略が取り難くなります。
つまり、小さな損失を繰り返した割には、大きな利益が取れないので、リスクリワードが割に合わない状況となってしまうのです!
まあ、大きな損失を避けつつ、ある程度、高い勝率をキープして行けば、トータルでは利益は出るようになります。
ただ、このようなリスクを負ってまで、空売り取引をメインにして行く必要があるのかと言う思いに至ったという訳です。
こんな背景もあり、結局、買いでシンプルにトレンドに乗って利益を伸ばして行くという、原点回帰したと言う訳です。
損切が出来ないのであれば、空売り(ショート)には手を出すべきではない!
但し、皮肉なのは、無駄なタイミングでエントリーをしなくなった分、損切になる取引が圧倒的に少なくなりますので、空売りでトータルの利益率が上がるという結果になってしまいました。
どうしても、本源価値から高値に乖離している銘柄や、全体相場のトレンドと相対する方向の銘柄の場合、全体相場が下がるとつられて下落する傾向が高まります。
そのため、そうした銘柄の値動きをずっと追っておいて、タイミングを見定めて空売りを仕掛けると、思いのほか短期で稼げてしまうのです・・
このように考えると、空売りは常時から数多く使っていくというよりは、タイミングを見定めて短期で使う方があっているのかもしれません。
とは言え、結局のところ、会社で働いている従業員は、儲けを増やそううと頑張っている訳です。
当然、業績が向上すれば、株価は上がる可能性が高まりますので、原則としては、買いの方が優位性があると考えて取引を行う方が無難です。
因みに、一つだけ明確に言えるのは、損切を確実に行えない人は、空売りは絶対に手を出すべきではありません。
損切を躊躇って含み損を耐えようとした場合、確実に損切をするまで追い込んできますので、損切もできない人であれば、手を出すのは避ける方が賢明です!