投資で、勝ちよりも負けをコントロール出来るようなる方が重要な理由とは?

たった1回の取引で、過去に積み上げて来た利益を吹き飛ばしてしまう理由とは?

投資を行っていく中で、重要なことは沢山あります。

特に、投資の初期段階においては、どのようにして勝っていくということに注力をしがちです。

投資とは不思議なもので、なぜか何をやっても勝ち続ける時期があったりするものです!

皆様も、このような時期を経験したことはないでしょうか?

このような、連戦連勝のような状況が続くと、

「やっと自分も勝てるようになっんだ~!」

と言った気持ちが芽生えてきます!

そして、より大きな利益を求めがちになります!

確かに、投資で大きな資産を築こうとしている場合は、ある程度投下資金を大きくして、より大きなリターンを目指さざるを得ません。

そのため、ネットなどを検索していく中で、大きな利益を得ている記事などをめにすると、

「自分も、もっと沢山買っておけばよかった~!」

と言う思いが強くなります。

そして、次に買うときに大きく買うぞと心に誓い、普段より大きな資金を投入したりします。

しかし、これまでずっと連勝していたのに、普段より大きくポジションを取った時に限って、負けてしまったりするものなのです。

この場合、取り逃がした利益を残念に思う気持ちが強く、取引で損をする恐怖より儲けの方に注意が注がれています!

ただ、大きく負ける時は、このように周りの皆も儲かっていて、更に自分も勝っていて、イケイケの状況の時に起こりがちなのです!

周りも勝っていて、自分も直近で何連勝もしている場合だと、

「今回の取引は、今は少し損失は出ているけど、まあこの程度なら、いつものように戻るだろう」

と、雑な管理をしてしまいがちです。

そして、何気ない気持ちで投資した普段より大きなポジションが過去に積み上げた利益を大きく吹き飛ばしてしまうような損失になったりするものなのです!!

強気の姿勢の中で、心の葛藤なく建てたポジションほど危険なものはありません。

逆に、相場環境が悪く、誰もがマーケットに対して疑心暗鬼になっている時に建てたポジションは、負けることはあっても、資産を大きく吹き飛ばしてしまうような負けに繋がることは案外少なかったりします!

つまり、投資を行う際は、常に負けるかもしれないという心の不安を持ち続ける必要があるのです。

投資で負けをコントロールするために、すべきこととはどのようなものなのか?

このような理由から、銘柄選定・エントリータイミング・損切などについて、常に用心深くなっていなければなりません。

私も、投資を続ける中で、何気なく建てたポジションによって、それまで積み上げて来た利益を大きく吹き飛ばしてしまうということを何度か経験をしました。

これらの経験より、如何に負けをコントロールするかと言うことに注力をするようになりました。

少し観点を上げておくと、

損切りを徹底出来ているか?

長期で、ファンダメンタルを徹底的に分析し尽すような投資を行っている場合は、それほど損切りは意識しなくても良いかもしれません。仮に、10万円が10年で20倍になったとすると、確かに凄いことかもしれません。しかし、200万円では、人生を一遍出来るほどの資金とは言えません。そのため、保有資金が小さいときは、スキャルピング、デイ、スイングなどのある程度資金効率を意識した投資も検討が必要です。

しかし、このような比較的短い期間での投資を行う場合は、外部環境や需給などによって、株価は本来のあるべき動きに反してランダム性が増します。また、毎回損失に対して、大きな利益が取れるとは限らず、勝率・リスクリワードを考慮した損切りは不可欠です。最初は、損失を確定することへの心理的抵抗があるかもしれませんが、繰り返して行けば慣れます!

まあ、損切りについては、語っても語りつくせませんが、正直、狙った損失額で損切りを行えるようになって行けば、それだけでもトータルとして負け難い状況に近づくと思います!

その銘柄は、最悪の場合、どの程度の値動きをする可能性があるのか?

損切りの重要性については述べましたが、想定する損失額で切れないということが起こる可能性があります。例えば、小型成長株銘柄の場合、成長が削がれたことが市場に知れ渡ったり、悪材料がでたりすると、ストップ安が連続したりする可能性があります。この場合、自分の望む位置で損切りをすることもできません。

値動きの大きな銘柄は、上手く行けばリターンは大きくなりますが、逆に予期せぬ事態が起きると、想定するラインで損切りが出来ない可能性があります。このような場合、時価総額や発行株式数の多い銘柄などを選ぶことで、損切りが出来ないという可能性を低くすることは可能です。但し、値動きが小さいのでリターンが小さくなったり、プロが多くいる銘柄になるので、勝率が下がったりする可能性もあります!

因みに、FXの米ドルなどのように取引量が圧倒的に多く、祝日等を除いて24時間動いている取引の場合は、このように損切りしたいところで切れないということは、余り意識をする必要はないかもしれませんが・・。

投入資金はコントロール可能な範囲となっているか?

投資とはリスクがありますので、ある程度のリターンは求める必要があります。但し、自分の資金量を超えたリスクを抱えた投資を行うと、一回の失敗で退場となったり、大きな損失を被ることを意識しておく必要があります。特に、投資の初期段階では、経験不足から、気が付けていないリスクがあることを想定しておく必要があります。

例えば、小型の製薬会社に投資をしていたとして、新薬の許可がほぼ確定的と言われていた銘柄あったとします。しかし、この会社から新薬の開発断念と言う材料が出た場合はどうなるでしょうか?ほぼ間違いなく、株価はストップ安が連続し、株価が付いた時には、株価は途方もなく下がっているはずです。仮に、こうした銘柄に、フルポジションで2階建ての信用取引などを行っていれば、一発で退場確定です。確かに、確率は低いかもしれませんが、こうした「まさか!?」が起きるのが投資です。利益の最大化は避けては通れない観点ではありますが、まずは死なないポジションを徹底するほうが先決です。

中央銀行の金融政策やマーケットの資金の流れに反した方向に投資していないか?

株価は個別銘柄の業績動向などに起因する場合が大半ですが、やはり全体相場の流れには逆らうことは出来ません。スキャルピングやデイトレードなどのように、持越しをしない場合は、それほど気にする必要はありませんが、スイングレベルだとマクロ的な資金の動きは注視が必要です。

気を付けなければならないのは、マクロ的な流れに逆らって、逆張り的に投資を行う場合です。短期で価格の歪を狙って、エントリーや損切を行う場合は良いですが、ずさんなエントリーをし、少々の損失が出ても何れ反転するだろうと考えて耐えるスタンスになると危険です。

こうしたマクロ的な動きは、思いのほか長く続き、逆張りで耐えている投資家を確実に息の根を止めに来るものです。運良く我慢をして相場が反転したとしても、プラマイゼロのところに戻った辺りで、苦しさから逃れるためにポジションを解消してしまいがちです!こうなると、死ぬほど辛い精神的な苦痛と、無駄な時間を浪費した割に、利益はほとんど無いということになってしまいます。

ですから、投資している方向が間違っていると気づいたら、初期段階でまずはポジションを解消して、含み損が大きくなって動けなくなることを避けることが重要となります。

株式投資やFX等で、勝ちよりも負けをコントロール出来るようなる方が重要な理由とは?

その他にも、負けをコントロールするための観点は、色々とあります。

ただ、長くなってしまうのでこの辺りにしておきます。

何れにせよ、こうした負けをコントロールするような観点を徹底して磨いていくことで、1回当たりの取引における損失がコントロールされた額となる傾向が強まります。

このような状況の中で、損失額に対して利益額が大きく伸びる可能性の高い取引(つまりリワード比率の高い取引)を続けていれば、相場環境の良い時期が来たり良い銘柄を選定出来たりすると、負け額を上回った利益を稼げる可能性が高まります!

仮に、大きく利益が伸びる取引が中々出てこなかった場合でも、やはり確率論からすると、ある程度の手法を用いて投資を行っていれば、一定割合は勝てる可能性が高いので、大きく資金は伸びないとしても、逆に大きく資金が減っていくような状況は避けられます

ですから、このように大きな負けをしないようにコントロールをし続けることで、仮に資金を大きく伸ばしていくような状況は出来ないとしても、非常に負けにくい状況を築くことが出来るのです。

ただ、リスクとリターンは表裏一体であり、このような負けにくい投資を行っていると、利益自体も限定的になりがちです。

確かに、この辺りは悩ましいところではありますが、順番としては、まずは負けにくい状況を作ったのちに、どのように利益を最大化していくかを考えて行くべきです。

その順番を間違えると、いつまで経っても安定した利益を出せないでしょうし、投資を続けて行く中で色々と学びを蓄積して行く前に資金が尽きてしまう可能性が高まります。

ですから、まずはどのように勝つかと言うところを突き詰めるよりは、どのようにして負けをコントロールして行くかを突き詰めていくことが重要なのだと考えます!