9月のFOMCで、利下げが実施されなかった場合の影響とは?

次回のFOMCは9月17~18日に実施される予定です。

少し思い出してみると、前回のFOMCでは、市場の想定通り0.25%の引き下げが行われました。

数年ぶりの金利引き下げでしたが、発表後にパウエル議長から今回の引き下げは予防的な措置であるとの発表があったため、追加利下げの期待がしぼみ、S&P500種株価指数は1%を超える下落で引けました。

日本の株式市場も、円高警戒から株価の大幅下落が懸念されましたが、金利発表直後のパウエル議長の発表も受けて、極端に円高傾向に進まなかったこともあって、比較的落ち着いた値動きとなりました。

9月のFOMCで、金利引き下げは、本当に実施されるのか?

しかし、トランプ大統領による米中貿易摩擦のコメントが、マーケットに大きなサプライズをもたらし、8月は日本市場をはじめとして、世界的に大きな下落相場になってしまいました。

この辺りのことは、皆様も記憶に新しいかと思います!

こうしたマーケットの急速な下落によって、9月のFOMCでは追加利下げがほぼ確実と見られています。

しかし、直近では株価も上昇傾向にあり、また、足元の経済指標の好調さやリスク要因が、やや後退していることを想定しると、利下げを見送る可能性も否定できないのかなとも思ってます。

確かに、直近の企業業績では米中貿易摩擦などに伴う先行きの不透明さから、企業業績を下方修正する可能性のある企業も増えて来てはいますが、依然として業績が好調な企業が多い状況です。

また、マーケットの「金余り状況」は変わっておらず、株式相場も下落はしても、一定程度下がると資金が流入してリバウンドする傾向が続いています。

このような状況の中で、果たして金利引き下げを実施する必要があるのかと言うのは、少し疑問な部分はあります!

実際に、カンザスシティ連銀のジョージ総裁は「利下げは不要」と断じていたりするなど、絶対に金利引き下げの見送りが無いとは言い切れません・・。

FOMCで利下げが見送られた場合、相場は一転して下落に転じる可能性がある!

但し、マーケット大半が、利下げを織り込んでいる状況に変わりはありません。

のような状況の中で、利下げの見送りを発表した場合、マーケットにサプライズをもたらし、利下げを織り込んでいた株式相場は一転して下落に転じる可能性があります。

FOMCで金利引き下げが見送られた場合、日本のマーケットはどのような影響があるのか?

日本のマーケットは、米国マーケットの動向に過敏に反応する傾向がありますから、連動安になる可能性があります。

一方で、金利引き下げの見送りは、円安傾向に向かう可能性があります!

この場合、日本のマーケット自体は比較的穏やかな動きになる可能性もあります。

他方、米中貿易の会話の再開など、マーケットにインパクトを与えそうなニュースは多数あります!

仮に米中貿易摩擦が改善される方向になった場合、かなりの好インパクトとなることが想定されます!

実際は、かなり厳しいとは思いますが・・。

いずれにせよ、どの材料がマーケットにインパクトを及ぼすのかを、正確に読み解くのは困難です!!

こうした理由から、マクロ的な観点から、株価の動向を読み解くことは、非常に難しいなと感じています。

今後の株価動向を見極めるには、個々の企業業績の動向に注目することが不可欠である!

そのため、マクロ的な観点から相場の動向について、大きな方向性は推測はするものの、やはり個々の企業業績が全体的に悪化傾向にあるのか、それとも依然として堅調であるのかを見極めて行くことが重要だと感じています。

やはり株価は中長期的には、「EPS」の増減に収束していくものと考えています!

当然、外部的な政治動向であったり、その株の需給の動向など、一時的にはEPSの増減とは違った動きになることは良くあることです。

しかし、これまでの株高は、個々の企業のEPSが堅調であったことが、株価上昇に繋がっていたことは間違いないと思います。

もし、個々の企業業績が、悪化する傾向が強まってきた場合、株価上昇の下支えが崩れてしまうことになりますので、長期的な下落相場の引き金になる可能性があります。

そう言った意味でも、為替動向や金利動向などのマクロ的な観点と、個々の企業の決算発表などから読み取れるミクロ的な観点の、二つの視点から相場動向を想定しつつ、投資を行っていくことが重要なのだと思います!