割安株投資を実施されている方の中で、「価値ある銘柄を安く買っているのに、なぜか勝てない!」と言う人は、意外と多いのではないでしょうか?
なぜなのでしょうか?
価値ある銘柄を安く買っても負けてしまう理由とは?
割安株投資では、「安くなっている株を買う」と言うことが重要だと考えている人は多いと思います。
そのような中で、
「単純に株価が、『安いから』と言う理由だけで買ってしまうのは危険である!」
と言うレベルの話は、既に聞き飽きていると思います!
更に、深堀して勉強している人は、
株価が本来のあるべき価値(価格)と、現在の株価を比較して、株価が安くなっている場合に買うべきである!
と言うことも、理解していると思います!
しかし、こうした「本来はもっと株価が高いはずの銘柄を、割安で買えている」はずなのに、負けてしまうのは何故なのでしょうか?
価値あるものを安く買うと大損はし難いが、勝てるとは限らない!
「価値あるものを安く買う」ということは、割安株投資の基本的な考え方であり、それ自体を否定するつもりは全くありません。
株価が安いと言うことは、相応の理由がある訳であり、多くの場合がその企業の業績であったり、ビジネス自体に問題があることが多いのです。
そのため、ただ安いと言う理由だけで買ってしまうと、更に株価は下落してしまう可能性が高くなります。
一方、価値あるものが安くなっている場合は、一定程度になると株価も下げ止まる可能性が高く、下値硬直性が出てきます。
もっと簡単に言うと、一定程度下がると、それ以上は株価が下がりにくくなります。
そのため、こうした取引をしている場合は、大損をし難くなる場合が多くなる、と言った側面があるのも事実です!
価値の捉え方は、マーケット参加者によって異なる!
では、冒頭の問いかけに戻りますが、なぜ「価値ある銘柄を、安く買っている」のに、勝てないと言う状況になってしまうのでしょうか?
割安株投資家は、この場合の「価値」を、単にその企業の業績などから割り出した価格と、現在の株価を比較して、差があった場合に、それを価値があると捉えています!
しかし、この考え方には、決定的な欠陥があります!
それは、「価値」と言うのは、人によって異なると言うことを理解していないと言うことです!!
どういうことなのでしょうか?
それは、全ての投資家が「企業業績などから割り出した価格と株価との乖離」に注目して投資を行っている訳ではない、ということです!!
例えば、ブレイクアウト投資をしている投資家の場合、企業の業績などから割り出した価格より株価が上回っていたとしても、ブレイクアウトして株価が暴騰している銘柄は買いとなります。
こうした投資家にとっては、割安株より寧ろ割高になっている株の方が、価値があるということになります。
また、出来高の多い銘柄をデイトレしている人の場合、企業業績などから割り出した価格と株価に乖離が有ろうと無かろうと、殆ど出来高のない不人気銘柄には全くの価値を見いだせないのだと思います!
つまり、「企業業績などから割り出した価格と株価との乖離がある銘柄」に価値があると言う考え方は、自分自身にとっての断片的な考え方に過ぎず、マーケット参加者の全てが同じような考え方で価値を見出している訳ではないということです!
これ、メチャクチャ大切です!!
投資を行う上では、書物などに書かれている、「一般的な文言(投資の格言的なもの)」までは、頭に入っている人は多いと思います。
しかし、こうした書物に記載できるのは、色々な制約から限界があり、どうしても断片的にならざるを得ない!
ということを理解しておかなければなりません。
つまり、その言葉の裏に意味することが何なのか?ということを突き詰めていくことが、投資家としては非常に重要なことなのです!
多くの人に取って、価値が見いだせない銘柄は、安値で放置されてしまう!
若干話が逸れたので戻します!
そもそも、割安に放置されている株は、大半の人にとって、価値が見いだせないと言う状況になっているということです。
この場合、幾ら待っても株価が反転する可能性は薄い、ということを理解しておかなければなりません!
そして、こうして割安になっている銘柄は、多くの場合が、そのまま割安に放置されたまとなってしまうのです・・。
しかし、負けてしまう割安株投資家は、こうした割安に放置された銘柄を購入してしまい、いつか反転するだろうと祈り続けてホールドすることになってしまいます!
しかし、長くホールドしている間に企業業績が悪化し、株価が下落してしまったと言うようなことが良く起こるのです。
これが、「価値がある(と自分は思っていた)銘柄を、安く買った」のに、負けてしまう典型的なパターンなのです。
割安株投資で、負けないためにはどのようにしたら良いのか?
では、割安株投資において、こうした事態を避けるにはどうしたら良いのでしょうか?
株価は需給で動くことを理解しておくことが重要である!
それは、株価は、「需給」で動くということを、常に意識しておくことが重要なのです。
つまり、私達が購入しようと思っている割安株に、
将来のあるタイミングで、多くの人が「価値」を見出す可能性が極めて高い状況であるか?
と言うことを、事前に調べることが不可欠です!
そして、多くの人が将来に価値を見い出す可能性が高い場合にのみ、投資することが重要となります。
つまり、その株変化が生じて、多くの人にとって「需要」が発生するのであれば、「供給」が追い付かなくなるため、将来のタイミングで株価は上がることになる訳です!
その銘柄に変化をもたらす「カタリスト」を見つけることが重要である!
そのため、私達は、その銘柄を取り巻くマーケット参加者達が、どこに「価値」を見出しているのかを見極める必要があります。
当然、現状では株価が低位に放置されている場合、マーケット参加者の多くが、その銘柄に「価値」を見出していないと言うことになります。
割安株投資家がすべきことは、この銘柄を取り巻く環境が、どのタイミングでどのような変化が発生する可能性が高いかということを見つけ出す必要があるのです!
そして、その変化によって、将来のどこかのタイミングで、マーケット参加者の多くが「価値」感じることになる場合、その銘柄は投資する価値があると言えるのです!
このように、割安株投資とは、単に安いものを買うと言うことではなく、将来起こり得る変化(カタリスト)によって、マーケット参加者の多くに価値が発生するものに対して、先回りして購入しておくことが、極めて重要なのだと考えます!