業績発表は好調なのに、株価が下がってしまう理由とは?

企業業績は良かったのに、なぜ株価は上がらないのか?

株式投資で、余り慣れていない方の場合、業績発表の結果が良ければ、株価も上昇するものだと考えている場合があります!

しかし、企業業績の発表は好調だったにもかかわらず、株価が下がってしまうと言うことは、それほど珍しいことではありません!

確かに、外部環境が悪化している場合は、外部環境に引きずられて株価が下がると言ったことは良くあります!

こうした理由だと、確かに分かり易いかと思います。

しかし、取り巻く環境も普段と何ら変わりがないのに、好業績を発表した銘柄の株価が下がってしまうことも、普通に発生してしまいます。

何故なのでしょうか?

好業績の発表にもかかわらず、株価が下がってしまう要因とは?

当然、要因は色々とあります!

その銘柄を取り巻く環境は、千差万別なので、どの要因が株価の押し下げ要因になったかは、個別に事象を読み解いて行かなければ分かりません。

但し、好業績にもかかわらず、株価が下がってしまう理由として、以下のようなものがあります!

それは、

  1. 業績の変化に、事前に気が付いていた投資家によって、先回りして買いが入っていた。
  2. 今後、企業業績が悪化することを、株価が織り込んでいる。

と言った理由が、考えられます!

業績の変化に気が付いた投資家によって、先回りして買いが入いるとは?

まずは、「1」について説明します。

株価は、基本的には業績に連動して動きます。

つまり、企業の業績が良くなる場合、株価は上昇すると考えられます。

もし、この企業の業績が改善されることが想定される場合、投資家達は業績発表を先回りして買いに動きます。

特にプロの投資家は、企業訪問や情報収集・分析等を通じて、変化にいち早く気が付きます。

そして、企業業績の変化に気が付いた一部の投資家が、業績発表に先行して買いに走ります。

すると、株価が、業績発表に先行して上昇を始めます。

すると、こうした動きを見つけて、株価の動きに乗って儲けるイナゴ投資家の一部が、追随して買いに入ります。

こうして、好業績が発表される前までに、既に株価が業績改善を織り込んでしまうのです!!

こうなると、好業績の発表があっても、既に株価が上昇してしまっていることになります。

その後、好業績の発表が有ったとしても、そこから更に株価が上昇する場合は、業績に連動した株価を上回ってしまっていることになります!

業績発表結果を基に、ファンダメンタル分析したところ、既に株価があるべき水準に達していることがに気が付いた投資家は、その水準から更に株を買い進めるメリットは感じないので、追加での買いは入りにくくなります。

そのため、好業績の発表があっても、発表前から株価は上昇しないということが起きるのです!

このような状況の中で、事前に先回りしていた投資家が、利益確定が入ると、好業績の発表が有ったにもかかわらず、逆に株価が下がってしまうと言ったことが起こるのです。

株価が動くには、市場の想定を上回るサプライズが必要となる!

基本的に、株価は先の業績を織り込んで推移するものです。

従って、業績が改善すると言うのが市場に知れ渡った瞬間に、株価はこうした変化を織り込んでしまいます。

そのため、株価が大きく変化する場合は、サプライズが必要となります。

例えば、20%程度の業績改善が想定されると思っていたが、発表された結果50%程度の業績改善だった場合、市場の想定を大きく上回っていますので、市場にサプライズをもたらし、株価が織り込まれていた水準を、更に上回って上昇します。

しかし、発表された結果が10%程度の改善だった場合、業績改善には変わりがありませんが、失望売りで株価が下がってしまうのです!!

企業業績が悪化することを、株価が織り込んでいるとは?

次に「2」についてです。

株価は、将来の業績を織り込んで推移するものです。

そのため、例えば今回発表された業績が良かったとしても、それは一時的なもので、将来的に業績が下方修正するのが想定される場合があります。

こうした銘柄の場合、将来的に株価が下がってしまう可能性が高まりますので、一時的な好業績の発表が有ったとしても、殆どの投資家は購入しようとは思いません。

しかし、良くありがちな失敗としては、以下のような場合があります。

例えば、好業績が発表された場合、翌営業日の始めから窓を空けて一気に株価が上昇します。

更なる株価の上昇が見込めると判断し、この株式を買ったとします。

しかし、将来的に下方修正されることが市場に浸透すると、株価は一気に下落に転じます。

すると、購入した価格帯が天井となっており、一気に含み損を抱えることになってしまうのです。

当然ですが、こちらの場合も、「1」の場合と同様に、プロの投資家は、企業訪問や情報収集・分析等を通じて、変化にいち早く気が付いています。

しかし、敢えて素人のカモ投資家を泳がせておき、株価を釣り上げておいてから、一気に売りを仕掛けて株価を突き落とし、こうしたカモ投資家のロスカットを誘って利益確定をする訳です。

このようにならないためには、常に一つ先の業績発表だでなく、その先も見据えた投資判断が不可欠になってくるのです。

弱肉強食の株式相場で生き残って行くには?

株式市場とは、弱肉強食の世界です。

こうした世界で生き残って行くためには、将来に起こり得る変化にいち早く気が付く能力を身に付けることが不可欠です。

基本的には株価は、こうした変化を織り込んでいく形で株価は推移します。

つまり、将来的に業績が悪化するならば、株価は下落するはずなのです。

しかし、矛盾したことを言うようですが、実際には、株価は業績とリンクして動くとは限りません!!

なぜならば、投資家間では、情報や資金量に、大きな格差があるからです。

一般の投資家がプロの投資家に「カモ」にされてしまう理由とは?

例えば、世間一般では業績は改善すると考えられている銘柄が、一部のプロの機関投資家は、合法的な情報収集によって、将来的に業績が悪化することに気が付いたとします!

この場合、本来であれば、株価は将来的な業績悪化を織り込んで、下落して行くはずです。

しかし、豊富な資金量を誇る機関投資家は、敢えて世間一般で業績が改善されると認識されている、買いの方に資金を投入したりします。

すると、順張りのイナゴ投資家などは、こうした動きを敏感に嗅ぎ分け、一気に追随して買いに走ります。

そして、株価が高くなったところで、プロの投資家は利益確定をし、且つ、売りを仕込みます。

そして、業績悪化が明るみに出たことによる株価の下落で、更に利益を出してしまうのです。

但し、プロの機関投資家と言えども、上記のように上手く株価が推移するとは限りませんが、少なくとも多くの投資家の思惑が重なり合っているのがマーケットそのものです。

そのため、長期的には株価は業績に収束していくのですが、一時的には需給の歪みによって、本来進むべき方向とは逆の方に株価が進んでしまうことは良くあることです。

株式投資で生き残るには、将来の変化と、直近の需給の歪みの両方を、見抜く能力が必要である!

そのため、私たちは、将来的にどちらの方向に株価が進んで行くのかをしっかりと見抜ける能力を持つことが、何よりも大切です。

しかし、これだけでは勝てるようにはなりません。

上記に加えて、直近の需給の歪みによって、株価がどのように変動する可能性があるのかと言ったことを見極められる目を持たなければなりません!

当然そのためには、相場に寄り添って材料と株価の動きを、数多く頭の中に叩き込んで行くことが不可欠です。

こうした場数を踏んで行くことで、仮にエントリーした後に、失敗したことに気が付いても、早く対処を出来るようになることで、損失を最小限に出来るようになって行きます!

こうすることで、長く株式相場に生き残ることが出来、経験値を積み増して行くことで、次第に勝てるようになって行けるのです!!