株式投資で、ファンダメンタル分析によって価値を算出し、投資しているのに稼げない理由とは?
株式投資において、ファンダメンタル分析をベースに投資をしているにもかかわらず、勝てないと言う人は多いのではないでしょうか?
このファンダメンタル分析で投資をする場合、多くの人はバフェットやグレアム等の本を読んで、株式投資を実施している人が多いと思います。
こうした考え方に基づいて株式投資をする場合、まずはファンダメンタル分析によって、その企業の価格を算出することになります。
そして、割り出された価格が、マーケットで評価されている株価よりも安くなっていれば、この企業の株価は割安であると判断して購入することになります。
そして、いつかこの企業の株式が、本来の株価から乖離していることをマーケットが気が付き、株価が見直されることによって利益を得るという言う考えのもとで投資をしていると思います。
勿論、この考え方を否定するつもりはありません。
否定すると言うよりも、私自身もこうした考え方をベースに株式投資を実施しています。
しかし、こうしたファンダメンタル分析で企業価値を基に価格を算出しているにもかかわらず、株式投資で中々勝てていない人がいるのも事実だと思います。
何故なのでしょうか?
企業の本源価値と株価に乖離が生じている株式に投資をしても、儲けられないのはなぜか?
当然、理由は色々とあるかと思いますが、株式を購入する際に、もう一歩、重要な観点を深堀が出来ているかということが、勝敗を分ける大きな要素となってくるのです!
それは、
ファンダメンタル分析によって算出した価格と実際の株価に乖離がある場合、いずれは算出した価格に株価は収束すると、何故言い切れるのか?
と言うことです!!
そもそも、ファンダメンタル分析によって算出した価格とは何を意味するのか?
まず、この疑問に答えるためには、
そもそも
「ファンダメンタル分析によって算出した価格」とは何なのか?
ということを考えてみる必要があります!
ファンダメンタル分析と言っても、算出方法は、色々とあります。
基本的な考え方としては、その企業が「現在保有している資産」と「将来稼ぎだす利益」をベースに割り出したものを、現在価値に置き換えて価格を算出する場合が多いです。
今回は、上記の算出方法の良し悪しを語りたい訳ではないので、詳細は割愛させて頂きます。
ただ、何れの手法であるかはさて置き、ファンダメンタル分析を用いて、その企業の適正と思われる株価を算出したとします。
そして、多くの場合、上記で算出した株価に比べて、実際のマーケットにおける株価が安価になっていた場合、この株式を購入することになります!
ここで重要なのは、上記で算出する際に、使用した材料は、既にマーケットでは誰もが知り得る材料になってしまっているということです。
多くの場合、ファンダメンタル分析で使用する基礎資料は、企業より発表される決算報告書になるかと思います。
少し、決算報告書が発表される場面を思い起こして下さい。
多くの場合、決算報告書の発表はマーケットが閉まった15時以降となることが多いです。
仮に決算発表の結果が、マーケットの想像を上回っていた場合、株価は上昇することが想定されます。
しかし、既にこのタイミングではマーケットはしまってますので(時間外取引を除きますが)、購入できるのは翌営業日の寄りつきとなります。
当然ですが、寄りつきは、窓を空けて株価は上昇することが多くなります。
そのため、株価が寄り付いた時には既に決算発表の結果を織り込んだ株価となってしまうのです。
勿論、寄りつきで全ての決算報告書の結果を、完璧にマーケットに織り込む訳ではないので、ここタイミングで歪を見つけて利益をだすことも可能だとは思います。
ただ、短時間のうちに、こうした乖離は修正されてしまうのが大半です。
株価は、全ての材料を織り込んでいるはずなのに、なぜ、ファンダメンタル分析によって算出した結果と株価に乖離が生じるのか?
このように考えると、1つ、疑問が生じて来ます。
決算発表も終わって暫く経つのに、なぜファンダメンタル分析によって割り出した価格と、マーケットにおける株価で乖離が生じているのでしょうか?
マーケットは、瞬時にして決算発表などの情報を、株価に織り込むのではないでしょうか?
すると、株価は全ての材料を織り込んでおり、正しい価格になっているはずです!
とすると、自分のファンダメンタル分析が間違っていたのでしょうか?
こうした疑問が生じるはずです。
株価は、企業業績の結果だけで、値が決まるものなのか?
この疑問を紐解く場合、もう一度、基本に立ち戻って、株価がどのようにして、値段がついてるかと言うことを思い起こしてみる必要があります。
当然ですが、株式は、買いたい人と売りたい人が、これ位の価格であれば「買っても良い」「売っても良い」と言う思いが一致した時に、売買が成立することになります。
そして、この売買が成り立った価格が、株価になります。
当然、買いたいと言う人が多ければ株価は上がります!
逆に、売りたいと言う人が多ければ株価は下がります!
つまり、冷静に考えてみれば、ファンダメンタル分析によって算出した価格は、一つの指標に過ぎず、その株価で売買をしなければならないと言った決まりなどは無いのです。
シンプルに考えれば、当然のことです!
ファンダメンタル分析の結果は、株式の需給を動かす1つの指標に過ぎない!
よって、ファンダメンタル分析によって算出した価格よりも、マーケットでは安価な株価で放置されている場合、この安価な株価では購入したいと言う人が少ないと言うことを意味しています。
もし、今後もこの株式を取り巻く環境は変わらずに、この株式を購入したいと言う人が増えない場合は、株価は安価で放置されたままになってしまいます。
この際に重要なのは、なぜ安価な株価で放置されているにもかかわらず、購入したいと言う人が少ないのかということです!
つまり、ファンダメンタル分析によって算出した株価より安価だからと言う理由だけで買ってしまった場合、今後も安価なままで放置されてしまう可能性が高いのです。
よって、こうした理由だけで投資判断をしている場合、そこから利益を得られる能性は少ないということを理解しなければなりません!
企業業績に対する「変化」を見抜いて株式投資をすることが重要である!
一方で、この企業の業績に、大きく変化が生じる可能性があるにもかかわらず、それを織り込んでおらず安価に放置されている場合は、状況が異なってきます。
当然、こうした変化がマーケットに知れ渡った際には、一気に株価に情報が織り込まれ、株価が上昇する可能性が高まるのです!
よって、こうした変化が株価に織り込まれていない状況で、割安で放置されていない場合は、株価の上昇が期待できますので購入する価値があるのです。
このように、ファンダメンタル分析をベースに投資をしているにもかかわらず勝てないと言う人は、自分の投資してる銘柄が「単に安いだけ」という理由だけで買っていないか、今一度確認してみる必要があります。
変化に焦点を当てて投資をする場合、株式投資の資産効率も高まる可能性がある!
こうした、将来に起きるべき「変化」に焦点を当てて投資をしている場合、株式の売買ルールも明確となりますので、資産効率が高まって利益も出やすくなるということも期待されます。
と言うのは、この将来に起きるべき「変化」は、マーケット全体には気が付かれていない時点で、自分自身で調べて発見する必要があります。
勿論、こうした「変化」を、毎回、完璧に当て続けるのは限りなく困難です。
当然、分析が間違っており、期待していた「変化」が発生しない場合もあります。
また、実際にこうした「変化」が発生した場合でも、自分が想定した通りに株価が動くとは限りません。
但し、こうした変化に基づいて投資をしている場合、投資ルールをシンプルにすることが可能となります!
と言うのは、例えば、想定していた「変化」が発生せず、自分の想定通りに株価が動かなかった場合、当初の購入ストーリーが崩れることとなります。
そのため、仮に損失が出ていたとしても、このタイミングで損切り(ロスカット)すれば良いことになります。
一方で、単純に安いからと言う理由だけで購入してしまった場合、いつ売却するかと言う理由が不明確になってしまいます。
そのため、いつかは想定する株価に戻るだろう考えて、株価が想定する価格まで上昇しない限りホールドしなければならなくなってしまいます。
勿論、運良く株価が、想定する価格まで上昇すれば利確することが出来ます。
しかし、株価が上昇しなければ、売り時が永遠に来ません!
更に、株価が下がってしまった場合は、含み損が生じる状況となります。
しかし、この場合、想定する株価と乖離が更に開くことになりますので、寧ろ、安全率が広がって売る理由は減少してしまいます。
こうして、売ることも出来ず、一方で想定した株価まで上昇しないので、利確することも出来ないと言った状況が生じてしまうのです。
ファンダメンタル分析の結果だけでなく、将来起きる変化を見抜くことが重要である!
こうした理由からも、ファンダメンタル分析によって割り出した価格より、株価が安くなっていると言う理由だけで購入した場合、中々勝てるようにならないと言う状況が生じてしまうのです!
そして、気が付いた時には、含み損を抱えた塩漬け株が増えてしまい、新たに投資する資金も枯渇してしまいます!
こうなると、保有する銘柄は売ることも出来ないですし、新たに銘柄を買うことも出来なくなります。
そうなると、毎月の外部環境の変化等によって株価が推移し、それに伴って資産額も増えたり減ったりすると言う状況に陥ってしまうのです。
この場合、自分自身で株式の購入も売却も出来ないと言う、コントロール不能の状況になってしまうので、資産の増減は運次第と言った状況となってしまうのです!
このような状況に陥っていないか、改めて自分自身のポートフォリオを、見つめ直してみては如何でしょうか?