株高の状況はいつまで続くのか?令和2年の株式相場の動向は?

現在の株高の状況は、いつまで続くのか?令和2年の株価はどうなるのか?

現在の株式相場では、株高状況が続いています!

果たして、このまま株高は続くのでしょうか?

令和2年の株式相場は、どのようになって行くのでしょうか?

まず、直近の株式相場の状況を振り返ってみます!

直近の株価動向で見ると、2019年9月頃より株価は上昇基調が続いています。

また、長期的に見てみると2012年には日経平均も8,000円代を付けていた時期もありました。

そのご、アベノミクスが始まり、若干の上げ下げはあったものの、総じて右肩上がりの相場が続いています。

では、今後の株式相場はどのようになって行くのでしょうか?

現在の株式相場は、過剰流動性相場となっている!

まず、現在の株式マーケットにおける特徴としては、過剰流動性相場になっていると言うことがあります。

これは、各国の中央銀行がリーマンショック後に金融緩和を実施し、大量の資金をマーケットに流し続けたことによって、市場に資金が溢れかえっている状況を意味しています。

日銀も例外ではなく、マイナス金利まで導入して市場に大量の資金を流し続けました。

例外的には、米国はリーマンショックから立ち直った後に、金利の正常化策として金利の引き下げを行っていました。

しかし、現在は金利引き下げに転じており、市場に対しては更に資金が流れやすい構造となっています。

また、日本の株式相場の場合は、日経平均が前場で大きく下落すると、日銀によるETFの買い支えが入ったりします。

また、日銀自体が大量の買い入れを実施していますが、買い一辺倒となっています。

こうなると当然ですが、市場に流通する流動株が減少し、実質的な株の希少性が増します。

すると、更に株価が下落しづらいと言うサイクルになります。

このようにして、現在の株式相場は、過剰流動性によって下落し難い構造になっていると言える状況です。

株価は、いつ下落に転じるのか?

では、このような流れはいつ変わるのでしょうか?

恐らく、安倍首相や黒田総裁が変わるまでは、この流れは大きくは変わらないかなと思います。

ただ、株式相場は少し前を行きますので、任期終了の少し前辺りから、下落に転じる可能性があるかなと考えます。

しかし、短期的な上げ下げは、この間でも繰り返されるとは思います。

株価の上昇は、企業のEPSの上昇等に紐づくことが多いのですが、今後も企業業績の拡大基調が続くかは疑問です。

もし、企業業績の拡大基調の潮目が変わってくると、株価が上昇し難くなってきます。

そのため、高値に張り付いた株式からは資金が流出しますので、株価の下落に転じます。

しかし、このような一時的な下落は、ここ最近でも何度も発生していますが、一定程度下がると下落は止まります。

と言うのは、先ほども申し上げた通り、現在のマーケットは過剰流動性相場となっており、資金が溢れかえっていますので、投資先を探し続けています。

当然、一定程度、株価が下落してくると割安感の目立つ株式が出てきます。

すると、株価の下げ止まりを狙って、先回りした資金がこうした割安な株に流れ込み始めます。

そうなると、一定程度のところで株価の下落が止まります。

よって、暫くは、こうした短期的(数か月程度)の上げ下げを繰り返すような相場が繰り返されると考えます。

振り子相場が一転して、長期的な下落トレンドに移行する要因とは?

ただ、こうした流れが一変して、長期的な下落に転じるのはいつなのか?

どのような要因で下落に転じるのか?

と言われると、予想するのは非常に難しいです。

中国マーケットの動向とは?

良く言われるのは、

米中貿易摩擦によって中国企業が大きく業績悪化しており、これが表面化してくることによって中国マーケットが大きく崩れて、それが全世界に波及する。

などの意見があります。

上海総合指数を見てみると、2018年の初旬に3,500ほどであったが、2019年初旬には2,500付近まで下落しました。

しかし、2019年終わりころには3,000付近まで回復しています。

まだ、全世界を下落に導くほどの、インパクトはもたらしてはいない状況です。

【 上海総合指数 】

SBI証券のチャートより引用≫

米国マーケットの動向とは?

一方で、米国市場を見てみると、下記のチャートの通り、NYダウは綺麗な右肩上がりを形成しています。

そして、過去最高値を更新し続けている状況です。

【NYダウ】

SBI証券のチャートより引用≫

当然、こうした上昇の要因としては、好調な企業業績がベースにあることは間違いありません。

また、その他の要因としては、

・金利の引き下げ

・米中貿易協議の合意期待

・法人税の引き下げ

など、様々な要因があります。

但し、株式相場は永遠に右肩上がりが続くことはありません。

いつかは、下落に転じる時が来ます。

そして、現在の株式相場で言えることは、歴史的に見ても異例と言えるほどの、右肩上がりの相場が続いていると言うことです。

そのため、相場には高値警戒感が広がっており、トランプ大統領などによる政治的な発言によって、株価が一喜一憂するような状況が続いています。

このようにし絵t、一時的な下落はいつ起きてもおかしくない状況ではありますが、一方で法人税の減税効果などによって、依然として業績が好調な企業が多くみられるのも事実です。

振り子相場における投資方法とは?

では、今後の株式相場はどのように推移していくのでしょうか?

現状において、各国の金融政策が極端な引き締めに転じたり、企業業績に大きなマイナス傾向が見られない限りは、現在の状況はズルズルと続くものと考えています。

このように捉えると、

①株価が一時的に下落に転じた場合は、ある程度、株価が底値を打ち始めたタイミングで仕込む。

②株価の上昇と共に、徐々に現金化していく。

③株価が下落に転じたら、暫く取引を休むか、短期の空売りなどを行う

と言ったようなことを繰り返すだけでも、ある程度の利益が取れたりするものです。

但し、株式銘柄の中には、外部環境の動向に関係なく、株価が推移する銘柄も多くあります。

また、株式相場の底値と上値を、正確に読み切るのはほぼ不可能です。

よって、ここが底値と思っても更に下がってしまったり、逆にこの辺が高値だと思っても、更に上値を更新していく可能性もあります。

そのため、あくまでこうした考えは、相場の大きなトレンドを見るレベルの補助的なものであると考えておいた方が良いです。

つまり、株価が高値を更新して警戒感が出始めた頃は、ある程度利益が出ているものは、利確しておいて現金ポジションに変えておく。

と言ったように、大きな相場の流れの中で、基本的にはどのような行動をするのが良いのかと言った、指針レベルとして使うのが良いかと思います。

そして、あくまでも個々の銘柄の投資判断は、個別ごとに分析を行って、エントリー・エグジットを決めるべきだと考えます。

そう言った意味では、現在のような株高状況が続く状況の中で、下落が怖いと言う人にとっては、利益が出ているものは現金ポジションに変更し、下落に備えるのも良いのではと考えます。

当然ですが、株式投資においては、ずっと上げ続けることはありませんし、逆に下げ続けることはありません。

当然、底値と上値を完ぺきに見極めるのは困難ですが、ある程度のサイクルで、上げ下げが繰り返されているのも歴史が実証済みです!

ハワード・マークス の「振り子の原理」「サイクル理論」とは?

なお、こうした株式投資の「振り子」「サイクル理論」については、世界的に著名な投資家であるハワード・マークスが詳しく述べています。

ご存じの方も多いと思いますが、ハワード・マークスはオークツリーと言われるファンドを立ち上げた人で、ウォーレン・バフェットがバークシャーの総会に来た投資家に対して、彼の書いた本を配ったことでも有名です。

ここで配られた本が、振り子(サイクル理論)について書かれた「投資で一番大切な20の教え」という名著です!!

この本では、「振り子の原理」とか「投資のサイクル」についても、詳しく触れられておりますので、どちらかと言うと安全(=防衛的)な投資をして行きたい人は、一度は読んでおくべき世界的な名著だと思います!!

一時的な株価下落は、いつ起きてもおかしくない状況となっている!

改めて、現在の株式相場を見てみると、やはり株価は高値圏にあると考えるのが安全です。

現状の株高は、米中貿易協議の合意を先取りする形で、株価が上昇していると考えるのが一般的ですが、仮に米中貿易協議が合意に至ったとしても、どの程度企業業績に好影響を及ぼすかと言うことは冷静に見通すことが重要です。

もし、米中貿易協議の合意による影響が、現在の株高に織り込まれている範疇であれば、ある意味、株価は既に高値圏に至っていると言うことが出来ます。

逆に、 米中貿易協議の合意による影響が、期待以下だった場合は、一時的な株価の下落に転じる可能性が高いです。

株式投資は、損失を限定して生き残ることが重要!

そのため、現在の株高状況を鑑みると、一時的な下落が起きる可能性があると考えて、事前に備えておく方が安全です!

こうした株価のサイクル(振り子)の状況を意識しつつ、如何に損失を限定するかを心掛けて行くだけでも、相場で生き残れる可能性がグッと高まります。

株式投資を長く続けられている人には、共感して頂ける方が多いと思いますが、株価の含み益と言うのは、徐々に増えて行くものではありません。

「あれっ、投資を頑張っているのに、全然利益が増えないな~」

と思っていたものが、数銘柄の株価が大きく上昇することで、含み益が一気に膨らむものなのです!

いわば、階段のような状況です!

資産の増加は、直線的に推移して行くのではなく、階段のように踊り場と上昇が繰り返すようにして増加していくのです!

このように、資産が一気に増加する時期を経験するには、相場で生き残って長く居続けるしかありません。

そして、生き残るためには、こうした踊り場のような時期に、如何に損失を最小限に抑えておくかが重要です。

そのためには、株式相場におけるマーケット全般の流れを理解しつつ、自分のポートフォリを適切に管理し、その上で個別銘柄に投資して行くことが重要なのだと考えます!!