投資の是非を判断する際に、陥りがちな判断誤りとは?
株式投資を実施する中で、表面的な文言に釣られて、判断を誤ってしまうということが良くあります。
少し、投資の例からは離れますが、以下のような質問があった場合、どのように感じるでしょうか?
例えば、
重さが10kgの鉄球と、重さが10kgの綿毛があったとして、どちらが軽いでしょうか?
勿論、考えるまでもなく、重さはどちらも同じです!!
ただ、直観的なイメージだと綿毛の方が、一瞬、軽く感じてしまった人もいるのではないでしょうか?
投資の世界は、嘘ではないが、断片的な情報を見せて、バイアスを掛けて来ることもある!
実は投資の世界においても、嘘ではないものの、断片的な情報を見せることで、意図的に売りや買いの方向性に対して、バイアスを掛けると言うことが良くあります!
そのため、しっかりと自分で物事を見定めて投資判断をしない場合、こうした表面的な文言に釣られて、判断を誤ってしまうということが良くあるのです!
例えば、
企業は定期的に決算発表書を公表しますが、この一つの資料を取っても、どの部分をどの様に読み解くかによって、その銘柄に対して「買い」と判断するのか、「売り」と判断するかなど、投資方針が異なってくることがあります!
そもそも、ファンダメンタル分析を中心に投資をしている人でも、決算発表資料もしっかりと読み込んでいる人は、意外と少なかったりするのではないでしょうか?
そのため、誰かが決算発表書の一部の文言を抜粋した文言を真に受けて、投資判断を下してしまうということが有るのだと思います。
そして、断片的な情報を信じて誤って投資判断したことにより、大きな損失を被ったということが発生します。
表面的な情報だけで投資判断すると、失敗してしまう理由とは?
少し、具体例を基に、説明してみたいと思います!
例えばある会社の決算発表書に、以下のような文言が記載されていたとします。
さて、この会社に対して、どのようなイメージを持つでしょうか?
「今期の経常利益は、20%の増益であり、この会社が始まって以来の最高益を達成した!」
この文言を見ると、かなり業績が好調であると感じるかと思います。
仮に、この文言が決算発表書に書かれているのであれば、こうした文言を掲示板などに書いても、嘘をついていることにはなりません。
しかし、実際に決算発表書を読んでみると、
「来季は、減収減益の予定。その後も、業績改善の見通しが立たない状況である!」
と書かれていたらどうでしょうか?
この会社の株式は買ってはいけないということが分かるかと思います。
普通であれば、決算発表資料を見て購入に値する銘柄であるかを判断してから購入するかと思います。
しかし、こうした断片的な文言だけを見て、乗り遅れて利益を逃したくないと焦ってしまい、購入に走ってしまうということもあるのです。
勿論、短期投資などのように、材料を読み込む必要が無い、投資手法もある!
勿論、スキャルピングやデイトレなどの短期投資の場合、その会社がどのような事業をやっているかも分からないまま、値動きのみを見て売買をすることがあります。
これはこれで、一つの取引手法なので、それを否定するつもりは全くありません。
当然、このような短期取引においては、決算発表資料を一言一句、見逃さずに読み込む必要性は薄いのだと思います。
ファンダメンタル分析を実施している場合、断片的な情報を基に投資するのは危険である!
一方で、ファンダメンタル分析を中心とした中長期取引を実施している場合、断片的な情報を「直観的なイメージ」で判断して売買をしてしまうと、非常に危険です。
先ほどの例で言うと、中長期的には買いではない銘柄となりますが、最初の断片的な文言だけを見た場合、購入してしまうたくなってしまいます。
勿論、今期の業績が大幅に悪化することをマーケットは想定しており、株価は低位で放置されていたが、「今期の経常利益は、20%の増益であり、この会社が始まって以来の最高益を達成した!」であれば、一時的に株価は急騰する可能性はあります。
しかし、既にマーケットが今期の最高益を見越して株価が上昇していた場合、こうした決算発表がされると株価は一気に下落する可能性が高くなります。
少し話が逸れましたが上記のように、一時的な需給によって、この株が買いであるか売りであるかの判断がずれる場合があるのも事実です。
しかし、中長期的には業績が悪化していくわけなので、中長期的には「売り」になるはずです!
断片的な情報を基に、直観的なイメージで判断すると、投資判断を誤ってしまう!
こうした事例からも分かる通り、株式投資を断片的な情報を基に、直観的なイメージで投資に踏み切ってしまうと極めて危険です。
確かに、決算発表資料を読み込んでも、今後の業績の見通しが読み取り難かったりするのも事実です。
逆に分かり易く明確に書かれていると、あっと言う間に株価に織り込まれてしまいます。
従って、色々な材料を基に、その株が「買い」なのか、「買ってはいけない」ものなのかを、判断する必要があるのです!
もし仮に、そうした判断が出来ないのであれば、無理に買う必要もありませんので、見送ることが重要なのだと思います。
結果的に購入していれば利益が取れていたとしても、別に損をしている訳でもないので、全く問題ないのはないでしょうか!?