コロナショックの2番底は、もう来ないのか?
新型コロナウイルも収束が見通せない中、株価は上昇基調が続いています。
もう、コロナショックの2番底は来ないのでしょうか?
思い返してみると、コロナショックによって株価は大きく暴落しました。
しかし、3月の中旬頃から、株価はリバウンドし上昇基調となっています。
当初は、2番底を警戒する声が多く聞こえて来ました!
しかし、最近では「2番底はもう来ない!」と言った声も聞こえ始めています!
果たして、もう2番底は来ないのでしょうか?
業績が大幅に悪化している銘柄でも、株価が上昇している理由とは?
勿論、今後、2番底や3番底が来るのかと言ったことは誰も分かりません。
ただ、このまま相場が上昇基調を続けるのかと言うとそれは疑問です!
現在の株価の状況を見ていると、企業業績が大幅に悪化しており、今後も回復の見込みが薄いにも関わらず、株価が大きく上昇している銘柄が多く見られます!
例えば、下記は居酒屋の鳥貴族の月次報告です。
こちらの資料で、「2(1)」4月の【全店売上高】を見てみると、前年同月比が3.8%になっています。
これは、昨年の同じ時期と比べて、96.2%のマイナスになっているということです。
鳥貴族(3193)の4月/月次報告
当然、5月も休業が続いていたので前年同月比で言うと、大幅なマイナスになっていることは間違いありません。
勿論、緊急事態宣言が解除されれば、客足も戻ってくことが想定されます。
ただ、今回の新型コロナウイルによって、働き方の在り方も大きく変わっています!
緊急事態宣言が解除されたのちも、在宅勤務が続く会社も多くあります。
こうなると、客の主体であるサラリーマンやOLなどの売り上げは大きく落ち込みます。
また、オンライン飲み会の登場などもあり、3密が懸念される居酒屋での飲み会は、暫くの間、敬遠される可能性が高そうです。
このように考えると、休業が緩和されたとしても、客足が以前の水準まで戻るにはかなりの時間が掛かると思われます。
そうなると、業績が右肩上がりに上昇することを期待するのは、かなり厳しい状況です。
鳥貴族(3193)のチャート
このように、業績悪化が懸念される中で、株価はどのようになっているのでしょうか?
以下が、鳥貴族(3193)のチャートです。
チャートを見ると、一目で分かるかと思いますが、コロナショックで暴落した後に、右肩上がりで株価が上昇しています!
ラウンドワン(4680)のチャート
下記は、居酒屋ではありませんが、同様に休業によって業績悪化が懸念されるラウンドワンの株価チャートです。
ラウンドワンも、鳥貴族と同様に、右肩上がりで株価が上昇していることが見て取れます。
特に、ラウンドワンは自社株買いが絡んだでおり、3月19日に付けた年初来安値である518円から比べると、約2倍近く上昇している状況です。
果たして、このような状況を、どのように捉えた良いのでしょうか?
株価は、業績と乖離して推移することは良くあることである!
当然のことですが、株価は業績通り動くとは限りません。
例えば、ラウンドワンの場合だと、休業要請によって業績が悪化することを想定して、3月頃に空売りが一気に入りました。
そして、株価は大きく下落しています。
しかし、同時に発表された自社株買いが、短期間で比較的割合の多かったことから、自社株による株の買い支えや流動株の希薄化が生じました。
更に、踏み上げによる株価上昇を狙ったイナゴ投資家によって、売り方が踏みあげられる状況となりました。
そこに、日銀のETFの大幅な買い入れなどが相まって全体相場が押し上げられ、更に踏みあげられる状況となっています。
また、休業解除による業績への好影響も、株価上昇の一因となっています。
これは、一つの銘柄の状況を書いたものに過ぎませんが、他の多くの銘柄でも業績と株価が乖離する中で、株価の上昇が続いています。
では、こうした動きはまだ続くのでしょうか?
今年から始まったものでもありませんが、マーケットでは各国中央銀行による金融緩和や、各国政府による財政出動などによって、金余り状態が続いています。
こうした余剰資金が、株式マーケットに流入し、株価を押し上げています。
例えば、新型コロナウイルスのワクチンなどに関連する銘柄は、既に暴騰してしまっています。
また、日銀の大幅なETF買い入れなどもあり、指数に連動性の高い銘柄も大幅に上昇しています。
更に、上昇が遅れていた小型銘柄にも買いが入り上昇が続いています。
ついには、航空会社や旅行会社など、新型コロナウイルによる影響がど真ん中の銘柄でも、株価の上昇が起きています。
重要なのは、こうした株価の上昇をどのように捉えるかということです!
現在の株価の上昇は、多くの投資家の思惑が交錯し、上昇が発生している訳ですが、それは一つの事実としてとらえれば良いのだと思います。
それが、正しいとか間違っているとかは、評論家の方々に任せておけば良いと思います!
重要なのは、
まずは、業績と株価に大きな乖離が生じている銘柄が多数生じていると言う、「歪」を見つけ出すことです。
若しかすると、私の判断自体が間違っており、そもそも業績と株価は乖離していないのかもしれません!
まずは自分の目で、でマーケットで起きている「歪(=事実)」を見つけ出すことが重要です!
こうした、自分で見つけ出した「歪(=事実)」に対して、
他の多くの投資家が、この事実をどのように判断をし、株価がどのように推移していくかと言うことを想像することが重要です。
そして、その想像(=自分の仮説)に対して、どのような投資判断をするかを決断し、実際に投資を行って行くことが重要です!
当然ですが、現在の株価が企業業績と大きく乖離しているとしても、更に株価は上昇していく可能性はあります!
ただ、それは更にバブル化が進むと言うことです。
バブルはいつかは弾けて、実態価格の方に収束します。
ただ、このバブルはいつ弾けるかは分かりません。
ですから、バブルが弾ける迄のギリギリまで、株価の上昇を取りに行くと言うのも戦略としてありだと思います。
一方で、いつ弾けるか分からない危険水域に入ったと判断するならば、更なる上昇があるかもしれないものの、手を出さないと言う選択肢もありです。
逆に、空売りを仕掛けるのもありです。
どのような投資判断をするかは、人それぞれであり、各投資家が自己責任で投資判断を下して行くしかありません。
ただ、私自身は既に危険水域に入っていると考えており、ここから大幅に買いを入れて行くつもりはありません。
寧ろ、利益が出た銘柄の現金化を実施し、下落に備えたポートフォリオに組み替え始めています。
当然、こうしたスタンスが正しいとは限らず、株価は更に上昇を続けて行く可能性もあります。
その上昇による利益が取れなかったとしても全く構わないですし、寧ろ下落が発生した際のリスク管理の方が、私にとっては重要です。
特に、最近のように10年に1度くらいしか来ない相場環境において、先を見通して行くことは非常に難しいです。
ただ、個人的には最近の株価上昇には、違和感を感じざるを得ません。
現在の相場を、どのように判断して、投資をして行くかは人それぞれですが、やはり投資の世界では生き残ることが大切です!
もし、現在の相場に違和感を感じるならば、一旦相、場から距離を置いてみるのもありなのかもしれませんね!
(独り言ですが、6月中旬~下旬頃から、雲行きが変わってくるのかもしれませんね・・。)