投資で損切り(ロスカット)の必要性が分かっても、実際に損切り出来ない場合、どうしたら克服出来るのか?(前編)

投資(株式投資、FX等)で、損切りが出来ずに悩む人が、損切りを克服するにはどうしたら良いのか?

投資を行っていく中で、最も苦労するものの一つが「損切り(ロスカット)」だと思います。

私もこの損切りについては、本当に苦労しました。

頭では損切りしなければならないことは分かっているのですが、損切りを行うことが出来ず、コツコツドカンを何度も繰り返してしまいました・・。

今でも、常に完璧に「損切り」が出来ているかと言われると、まだまだ改善しなければならないのは事実です。

ただ、自分なりに色々と悪戦苦闘しながら改善を続けて来たのは間違いなく、その経験から導き出した対処法は、少なからず皆様に役に立つ部分もあるかなと感じて来ます。

投資(株式投資、FX等)で損切り(ロスカット)は必要ないと言う人もいるけど本当なの?

まず、損切りの方法の具体的な話に入る前に、そもそも「損切りって必要なの?」という疑問について触れてみたいと思います。

ブログでもYouTubeでも良いのですが、多くの方が損切りは不可欠であると語っています。

それは、株式投資であっても、FXであっても同様です。

しかし、稀に「損切は必要ないっ!!」と仰っている方がいるのも事実です。

因みに、先に言っておきますが、私は投資において損切りは不可欠だと思ってます。

但し、投資スタイルによっては、損切りが実質的には余り必要のない場合もあるのだと思います。

実は、私自身も長い間、損切りを殆ど行わないようなスタイルで株式投資を続けていました。

それでも、長い間、勝ち続けることが出来ていました。

若干、本日語りたい話からは逸れてしまいますが、そこについて実体験も含めて触れさせて頂きます。

私自身も、長い間、損切りを行わない投資を続けていた。それでも勝てていた理由とは?

随分と昔の話となりますが、私が株式投資を始めたのは2001年のこととなります。

まだ、イラク戦争も起きる前の話で、今から20年も前の話となります。

当時は、右も左も分からない状況で、取り合えず株式投資を始めたのですが、書店でふと手に取った本がウォーレンバフェットの本でした。

ウォーレンバフェットと言えば、バリュー株をベースに成長株をミックスしたような投資手法がベースとなります。

そこで初めて出会った、ウォーレンバフェットやベンジャミン・グレアムのバリュー投資の考え方に感銘を受け、以降はバリュー投資をメインに投資を続けることになりました。

正直、2001年、2002年頃は、余り深いことも考えず、単純に安いとチープな分析能力で判断した銘柄を仕込では、ホールドすると言ったスタイルをずっと続けていました。

運が良かったのは、2003年頃(記憶が曖昧ですか?)より急速に株価が上昇し、安値で仕込んでいた銘柄が軒並み含み益を抱えるような状況となりました。

こうして含み益がのった銘柄を、景気の上昇と共に徐々に売り捌いて行き、大きな利益を上げることが出来ました。

その後も、小泉政権を除いては政権が不安定だったこともあり、相場が総悲観で割安で放置されているような銘柄を仕込み、数年間ホールドして、上昇したら売り捌くと言うような手法を繰り返していました。

更に相場全体が冷え込んでいる時期に、下値硬直性の強いバリュー株を仕込む状況のため、株式市場から退場を余儀なくされてしまうような下落に見舞われる可能性は殆どありません。

稀に、業績悪化などによって株価が購入値まで戻らない場合がありましたが、流石に好景気になっても戻らない場合は損切を行った場合もあります。

ただ、こうした投資スタイルや相場環境より、実態として損切りと言うことを、ほぼ意識することなく投資を続けることとなりました!!

これの経験が、後に不幸をもたらすことになるのですが・・。

まあ、その話は後に触れるとにします!

因みに、冒頭で「損切りは必要ないっ!」と仰っている方は、こうした長期投資を行っているために損切が実質的に不要であったと言うことなのかもしれません。

それか、運よく短期のうちに、大化け銘柄に出くわしたというだけかもしれませんが・・。

投資スタイルを抜本的に見直したことにより、損切りが不可欠なものとなる!

このような、投資スタイルを長い間続けて来たのですが、2019年頃より行き詰まりを痛感するようになります。

要因は色々とあるのですが、一番大きな要因としては、アベノミクスによって株価が高止まりしたことにより、安価で仕込むと言うことが出来なくなってしまったためです。

勿論、アベノミクス後も高値圏の中とは言え、押し目のように株価が下落する局面は何度もありました。

但し、それまでの私の場合は、相場全体が総悲観と言ったような局面で仕込んで長期ホールドすると言ったスタイルだったので、こうした手法が取れなくなったと言うのが要因となります。

また、違う観点としては、バリュー投資の長期ホールドは、資産効率が良くないという理由もありました。

将来、株価が上昇するカタリストを想定して、そこに向けて銘柄をホールドし、狙いが外れれば損切をすると言った投資をしていれば、ある程度のサイクルで資産を有効的に回転させていくことが出来ます。

但し、私の場合は、株価が単純に安いという判断だけで購入しており、その株の固有の株価上昇要因(カタリスト)を意識せずに仕込んでいました。

バリュー銘柄は不景気であっても株価の下落には強いと言うメリットもありますが、一方で株価の上昇局面になっても小型成長株などと比較すると株価の上昇幅は限られます。

更に、上昇局面に際しては、小型成長株などが先行して株価が上昇し、最後の方で安値で放置されているバリュー株に資金が向かうという流れとなることが大半です。

そのため、ホールド期間が長くなる割に、株価の上昇幅もそれほど大きくないというジレンマは有りました。

とは言え、アベノミクス後も高値圏の中とは言え、押し目のように株価が下落する局面は何度もあるため、こうした機会を狙ってリターンを得ると言う方法がは可能です。

ただ、私自身もある程度の年齢を重ねて来ていることもあり、現在保有している資金の大半を溶かしてしまった場合、再起するための期間も限られて来ます。

そのため、現在のように高値圏にある株価が、大暴落した場合にある程度対処出来るようなスタイルに見直しておく必要があります。

また、こうした株式投資で成功して、会社を辞めると言うことを真剣に考え始めた場合、ある程度月額単位で収益があげられる手法に投資スタイルを見直して行く必要が生じて来ました。

損切の必要性は理解したが、頭で分かっても損切が出来ないというループに陥る!

こうしたこともあり、2017年より投資手法の抜本的な見直しに着手し始めました。

まずは、ホールド期間の見直しを行いました。

長期投資家の方は、少し共感してくれるかもしれませんが、心のどこかに「長期投資=投資」と言う自負(?)もあり、短期での取引については個人的にはアレルギーがありました。

しかし、上記に述べたような状況に直面した結果、従来の長期投資から、数日~3ヶ月位がメインで、長くても一年程度と言うものに見直しを行っています。

これにより、それまでは銘柄を選定しエントリーする場合は、中長期的な視点での業績分析が重要でしたが、

投資スパンが短くなったことに伴って、

直近の業績がどうなっているのか?
 ↓
業績通りだと、素直に考えると株価はどのように動くはずなか?
 ↓
但し、直近のその銘柄(=株そのもの)の需給はどうなっているのか?
 ↓
直近で、需給を変えるようなカタリストはあるのか?
 ↓
業績通りだと株価は●●のように動くはずだが、株の需給や起こり得るカタリストによって、株価は▲▲のように動くと仮定される。
 ↓
自分の立てた仮説に基づいて優位性ががあると考えられる場合はエントリー
 ↓
想定通り動けば利確
 or 想定が外れれば損切り。

と言ったような思考回路を経て、投資を行うように改善を図って来ました。

今では考えられないことですが、従来は「業績伸びる&安い」=「買い」と言う1次元的な思考で投資を行っていました。

今、思うと、如何に浅はかだったかを痛感します!

当然ですが、今では2次元・3次元的に思考を巡らせて投資を行うようになっています。

それだけを取っても、如何に「~2016年まで」が、何も考えずに投資を行ってきたんだなと言う反省で一杯です・・。

と言うか、真剣に向き合ったつもりになっていただけで、大した努力をしてなかったので、今でもまだこのような状況になっているのだと思います!

まあ、幾ら過去を後悔したところで、時は戻せないので、それは仕方ないと割り切るしかないですね・・。

何れにせよ、この投資手法の変化を経て「損切りの必要性」に対しては大きな変化が生じたのは事実です!

と言うのは、短めの期間で、

「株自体の需給動向と言う観点について、比重を高めて投資判断をするようになった!」

ためです。

これ、普段から意識している人からしたらなんてことのないことですが、投資判断において滅茶苦茶、大きな変化(重要な観点)だと思うので、特大の文字にしておきます・・(笑)

需給動向をベースに投資を行うようになると、「美人投票」的な要素が強まります!!

但し、これはやむを得ないことで、この美人投票の当選確率を上げるための改善を繰り返して行くしかありません。

ただ、美人投票は、他の投票者がどのような思考を基に、どのような投票行動をするかを想像して、それを逆手に取るようなスタンスで投票する必要があります!

よって、読みが外れれば「外れ!」となり、当選者だけが貰える「賞金」を獲得することは出来ません!

投資の場合も同様で、投資のエントリーの判断に需給の比重を高めると、仮定に基づいた投資を行っているという意味合いが強くなります。

当然、長期投資でも需給はある程度加味する必要はありますが、長い時間と言うものが、需給による株価の乱高下を解消して、株価が業績に収束する傾向が強まります。

しかし、短期の場合は長期投資と比べて、業績よりも需給によって、株価が動く傾向が強まるため、自分の仮説に反する動きをする可能性が高まります。

それを放置すると、結局のところ塩漬け株となってしまい、更に長期投資を前提とした分析結果に基づいてエントリーをしていないため、株価が戻ることも無く、文字通り「死に金」状況となってしまうのです!

そのため、一度、短期でエントリーした際に、自分の想定と異なる結果になった場合は、何が有ろうと「損切り」をすることが欠かせません!!

因みに、私の場合も投資手法を改善した後に、頭の中で直ぐに「損切りは不可欠である!」と言うことは理解することが出来ました。

しかし、

しかし、、、

しかし、、、、、、、、

頭の中では分かっていても、損切りをルールに則り淡々と実施すると言うことが出来なかったのです!!

必死に悩みました、、、

でも、出来ない、、

何故だろう、、、

何度も、後悔しました!

自分を責めました!

そして、

「メンタルが弱い」

だの、

「いや、メンタルでは対処できない。逆指値のようにシステマチックに対処するしかない」

など、色々と自問自答しては、改善し、また失敗を繰り返してしまうという日々が続きました。

こうした日々を繰り返していく中で、少しずつ損切りも出来るようになってきました。

しかし、ちょっとした甘えから、稀に大きな損失を被ってしまい、せっかく積み上げて来た利益をたった一回の失敗で吹き飛ばしてしまうと言うことが続きました。

正に、コツコツドカンの典型的なパターンです!

ただ、こうしたことを繰り返す中で、損切りは自分のスタイルに取っては不可欠なものであることを痛感し、必死に自分自身のマインドに抗いながら改善を重ねて来ました・・。

今でも、完璧に損切が出来ている訳ではなく、更なる改善を図って行かなければならないのですが、依然と比べるとかなり改善されて来たことは実感しています。

本来は、この悪戦苦闘して、改善してきた具体的な内容を書くつもりでしたが、前段が長くなり過ぎたので続きは次の記事で書かせて下さい。

続きの記事を書いたら、リンクを貼っておきます。

すみません・・。

≪追記≫

後編を書きましたので、以下にリンクを貼っておきます。