株式投資の初心者は、どのような手法で投資を行ったら良いのか?
株式投資を始めた際に、どのような投資手法で株式投資を行っていくか明確にすることです。
しかし、多くの投資初心者は、
- 何となく銘柄を買って株価が上がったから売却して利益が出た。
- 銘柄を買ったけど、株価が下がってしまい、購入額まで戻るのを祈って塩漬けにしている。
など、明確な手法を定めずに投資を行っていませんでしょうか?
投資の初期段階で大切なのは、手法を限定し、その手法で取引を繰り返すことです。
これによって、反省点が明確となり、改善観点を次の取引に活かしていくことで、実力が向上して行くのです。
そのため、手法を選定せずに、何となく銘柄を買っているというだけでは、株式投資で安定して利益を稼いで行くというのは難しいのです。
投資手法を決める場合、どのような観点を踏まえて決めれば良いのか?
では、投資初期段階では手法を絞って、試行~改善を繰り返していくことの大切さは分かったものの、どのような観点を考慮して手法を選定すれば良いのでしょうか?
当然、株式投資における投資手法は、沢山あります。
更に、それらが複雑に絡み合っているので、最終的には自分自身で作り上げて行くしかありません。
とは言え、それを言っては、いつまでも手法を決められませんので、投資初心者が手法を選定する場合は、まずは「保有期間をベースに選定するのが良いと考えます。
因みに、保有期間とは、銘柄を購入して売却するまでの期間のことで、一般的には短い方から以下のように分類されます。
スキャルピング | 瞬間的な取引 |
デイトレード | 1日で売買を終わらせる取引 |
スイングトレード | 数日~数か月程度(こちらは人によって、期間の定義は曖昧です) |
中期投資 | 数か月~数年程度(こちらも人によって、期間の定義は曖昧です) |
長期投資 | 数年単位 |
中長期投資の特性とは?
これらの取引手法では、期間が長くなるほど、株価はその企業の業績などに収束する傾向があります。
一方で、期間が短くなればなるほど、一時的な外部環境や大口の売買戦略などと言った、需給に影響されます。
ですから、これらの状況をシンプルに捉えるならば、中長期的にそれらの企業業績を分析できるならば長期投資の方が容易と言うことになります。
しかし、実際にやってみればわかるかもしれませんが、それほど分析と言うのは簡単ではありません。
プロのアナリストでも、予想を外すことはありますし、そもそもその会社で働いている従業員ですら数年後の業績を見通すことは難しかったりするものです。
更に、株価はマクロ的な外部環境にも影響を受けます。
金利政策や政治だけでなく、新型コロナウイルスのような誰もが予期できないような突発的な事象も起きますので、これらの取り巻く環境が変わる中で、数年先のその企業の業績を予想するのはかなり難しいものです。
逆に誰もが分かるものであれば、既に多くの人に買われてしまいますので、非常に高い株価(PER)になっているはずです!
諸々の結果、ファンダメンタル分析を基に投資を行っていくと決めたらなら、所謂、バリュー株的な投資と、成長株的な投資のどちらを選択するかも意識すべきです。
例えば、小型の企業があったとして、数年間に渡って拡大が業績拡大が期待できたとします。
こうなると、基本的な考えとしてはその企業の成長と共に、株価をホールドし株価の上昇によるキャピタルゲインを得て行くというスタンスとなります。
ですから、会社が成長していくかと言うところを見極める能力が不可欠となります。
所謂、成長株投資と言ったものですね。
他方、バリュー株投資の方は、少しスタンスは異なります。
こちらはどちらかと言うと、本来の企業の実力(業績等)に対して、株価が安くなっていることを見抜き、株価が本源価値に収束するのを狙う投資となります。
ですから、会社の本源的な価値を見極めて、現在の株価と比較できる必要があります。
更に、株価と企業の本源価値との差が、マーケットに知れ渡らないと、株価は低値に放置されがちとなります。
ですから、価格の差を見極めた上で、それらの乖離が市場に周知されるカタリストが、どのような過程で起こりうるかも考慮して投資をする必要があるのです。
因みに、初心者は安易にバリュー投資に進みがちですが、決して甘い投資ではないと認識した方が良いです。
まあ、投資の王道ではありますが!
バリュー株について記事を書いてますので参考までにリンクを貼っておきます!
短期投資の特性とは?
結果として、企業分析は、自分には不向きだという人もいるかと思います。
この場合は、短期投資の方に軸足を移した方が良いです。
因みに、短期になればなるほど、株価はその銘柄を取り巻く需給に影響を受けるようになります。
材料、信用残高、政治動向、大口投資家の売買動向など、様々な要因で株価は動きます。
ですから、短期になればなるほど、ファンダメンタル的な要素は薄らぎ、需給によって株価は動くようになります。
短期投資には、こうした需給の動向を読み解きながら、取引を行うことが不可欠となります。
例えば、他のトレーダの売り買いなどを予想するためには、
「チャート」や「板」をずっとウォッチしておき、
この辺りになったら、利確する人が多く出て上昇は止まりそうだ!
含み損に耐えている人達は、このレンジを超えてしまうと損切に追い込まれそうだ!
など、他のトレーダーがどのように考えて、どのように売買をするかを想定しながら取引を行う必要があります。
所謂、「美人投票」のようなものですね!
但し、こうした想定は、お互いに腹の内を読みあような状況となるため、「100発100中」という訳にはいきません。
そのため、一定割合の取引は失敗するものとして、損失限定のためにロスカット(損切り)を行うことが不可欠となります!
ですから、短期取引になるほど、確率論を意識しながら、トータルとして期待値が50%を上回るようになるよう、淡々と取引を繰り返して行くこととなります。
更に、この期待値を少しでも高めるように、勝率、利益幅、損切幅、エントリ回数、ロット数などを、マイナー調整を繰り返して行く必要があるのです!
因みに、スキャルピングやデイトレは、取引時間内に売り買いを完結させなければなりません。
基本的にはパソコンの前に張り付いている必要がありますので、サラリーマンやOLの場合、本業との都合からこうした手法を選択できない人も多いと思います。
勿論、スキャルピングやデイトレにもメリットはあります。
まずは、1日のうちに取引を完結させてしまいますので、保有銘柄を市場の変動リスクに晒す時間が限られます。
例えば、深夜のうちに、NYダウが暴落したとしても、既に売却していますので、翌朝から保有銘柄が引きずられて暴落すると言ったことは避けられます。
また、資金回転が速いので投資効率が良いという面もあります。
例えば、100万円しかない人が、2年保有して150万円になったとしても、2年で50万円の利益だけですので、この結果で人生がどうこうなるレベルではありません。
しかし、短期トレードとして何回転もさせて行けば、大きく資産を増やせる可能性は高まります。
当然、実力が伴っておらずに負け続ければ逆効果ですが・・
また、短期取引の場合、「再現性が高い」と言うメリットもあります。
例えば、運よく中長期投資で100万円の株を、10倍に出来たとしても、また同じように10倍株(テンバガー)を選定できるとは限りません。
しかし、短期取引の場合は、同じ手法で、外部環境も大きくは変わらない中で、淡々と取引を繰り返していきますので、実力に応じて一定の結果に収束する可能性が高くなります。
当然、負ける人はずっと負け続けますが、勝てるようになって来ると成績は安定してきます。
初心者にお勧めの投資手法とは?
このように考えると、短期トレードも長期取引も、長短あって決め難い状況です。
では、結局、何がお勧めかと言われたら、以下のようなものが良いかと思います。
保有期間 | ~3か月程度 |
分析方法 | ファンダメンタル分析とテクニカル分析のハイブリット |
投資初心者にお勧めの保有期間
保有期間については、まずは「~3か月」位が良いかと思います。
投資の初期段階においては、仮説~検証~試行~改善などのPDCAサイクルを回していくことが重要です。
しかし、中長期投資などのように年単位の取引の場合、結果が判明するまでに多くの時間を要してしまいます。
もし、数年間を要した結果、その取引方法が自分に適していないとか、良くない取引を行っていたことが分かったとしても、相当の期間を浪費してしまうことになります。
とは言え、期間を短くしすぎると、需給の要素が強まりすぎて、ファンダメンタル的な能力を身に着けることが難しくなります。
また、短期投資では、初心者は老獪な熟練投資家に翻弄されがちですので、取引の難易度も格段に上がります。
よって、初心者としては、一定期間でPDCAサイクルを回しながら、手法をマイナー調整できる「~3か月」で試してみるのが良いかと思います。
なお、四半期決算による下落を回避できるという観点については、正直なところ一長一短ではあります。
株価が大きく動くのは、4半期の業績発表であり、ここを上手く想定して先回り購入出来れば、大きな利益を期待できます。
但し、投資初心者が業績を正しく分析しきるのは難しいですし、材料で作りの売りも起こる可能性は多々ありますので、最初は4半期決算の間で取引を行うというスタンスでも良いのではと思います。
投資初心者にお勧めの分析手法とは?
分析方法はファンダメンタル分析とテクニカル分析のハイブリットが良いかと思います。
因みに、4半期決算を避けるのであれば、ファンダメンタル分析は不要ではと思われるかもしれません。
しかし、金利政策など、資金の大きな動きについては、しっかりと理解をしておくべきです。
中央銀行の金利政策は、大きなトレンドは数年単位となりますので、こうした資金の流れは数年レベルで続きます。
こうした資金の流れや、大きな技術動向や人々の生活のニーズの動きから、どこの分野に資金が集中して行くかを想定します。
結局のところ、資金が大きく集まるところは、株価は上昇する可能性が高いからです。
つまり、初心者のうちは、「当たりくじが多い場合で、くじ引きをすべき」と言ことです。
こうして選定された分野の中で、あとは会社の業績をみて、銘柄を選定して行くことになります。
上記のように銘柄を選定出来たら、後はチャートや需給動向などをウォッチし続けて、エントリータイミングを伺います。
ここでのエントリーは、人によって取りたいチャートの波形は異なってきます。
フラッグなどで株価が収束したところから、一気にブレイクして行くような部分を取るのか?
ダブルボトムから、株価が切り返し、上昇相場になって行くところを狙うのか?
レンジを取るのか?
などは、色々とあります。
これらは、自分の好きな波形を狙えば良いですが、そのチャートにおいて参加している投資家が、
どの辺りでエントリーしその人はどの辺りで苦しくなって損切をするのか?
含み益を出している人は、どの辺りで利確するのか?
などを、読み取れるようにしておく必要があります。
また、投資初期段階においては、ファンダメンタルの分析をを誤る可能性がありますし、エントリータイミングを誤る可能性も高まります。
しかし、正直なところ、この段階では現在の取引が正しいのか間違っているのかも判断が難しいでしょうか、最初からどのラインを下回ったら損切をするというのは決めておくべきです。
塩漬けにしてしまうと、後はマーケット次第で株価が動くという、お祈りしかできない状況に陥るので、確実に損切はしなければなりません。
投資初心者が避けておいた方がよい投資手法とは?
なお、余談となりますが、以下の取引は投資の初期段階では避けた方が良いと思います。
株式投資で成功するためには、如何にマーケットに居続けて、経験を積むかがポイントです。
当然、資金が無くなってしまえば、退場するしかありません。
ですから、初期段階では、勝って利益を出すことよりも、大きく負けて退場に繋がるような取引を可能な限り避けておく方が無難です。
空売り(ショート)
恐らく、損切りに慣れてないと思うので、大きな損失を被る可能性が高いです。
無難に、買いから始めた方が良いです。
以下は、空売りに関するご参考です!
ロットサイズ
最初は、何だかんだ言って失敗します。それも、数年単位で失敗すると考えておいた方が良いです。
ですから、資金が尽きてマーケットから退場になることを避けながら、少しでも試行~改善の経験を積み重ねる必要があります。
そのため、ある程度実力が付くまでは、小ロットで取引を行う方が良いです。