ゲームストップ株でロビンフッターにヘッジファンドが踏み上げられ株価が急騰!!その理由や今後の影響とは?
米国市場において、ゲームストップ株が踏み上げられて急騰しています。
この出来事を、単に「空売りの踏み上げ」と言ってしまえば、特に珍しいことでは無いのかもしれません!!
当然ですが、日本の株式市場においても、毎日のようにどこかの銘柄では空売りの踏み上げは起きているような状況です。
では、なぜ今回の出来事は、ニュースでも取り上げられるほど騒がれているのでしょうか?
それは、この踏み上げられたのが「ヘッジファンド」であり、逆に踏みあげたのが「個人投資家(ロビンフッター)」だと言うことです。
このインパクトの大きさ、分かりますでしょうか!?
ゲームストップ株が急騰した理由とは?
そもそもですが、このゲームストップと言う会社は、アメリカに本社を置く世界最大級のビデオゲームの販売店であり、世界に6700店舗を展開するような会社です。
とは言え、ビデオゲームの販売店は、それほど珍しいものではありません!
少なくとも株価が何倍にも跳ね上がるほどの先鋭的な企業とは言ません・・
では、このような会社が、今回のような株価の急騰が来たのでしょうか?
下記は、ゲームストップ社の株価チャートです。
昨年、ライアン・コーエン氏が、このゲームストップ株の取得に乗り出しました。
ライアン・コーエン氏とは米ネット通販会社チューイーの共同創業者です。
同氏は2020年8月にゲームストップへの投資を公表し、12月までに計7600万ドル(約78億9000万円)を投じて900万株を購入したとされています。
ライアン・コーエン氏の購入を契機に、同社の業態転換することが期待され、結果として株式取得を初めて公表した8月頃は5ドル付近だった株価も、11月頃には15ドルを超えるような価格まで上昇しました。
確かに、株価も3~4倍程度まで跳ね上がっており、これでも大きな上昇です!
ただ、株価の上昇は15ドル程度では収まらず、直近では483ドル付近まで急騰することになったのです!
仮に5ドルで購入していた場合、短期間のうちに96倍近くも上昇したことになります・・。
なぜ、このようなことが起きたのでしょうか?
また、この上昇がこれほど重要な出来事として、ニュースなどで報じられているのでしょうか?
ヘッジファンドが個人投資家に敗北!今後の株式市場に与える影響とは?
まずこのゲームストップ株に対して、メルビンキャピタルという大手ヘッジファンドがゲームストップ株を大量に空売りしている情報が流れました。
業績の向上が伴わずに株価が急騰した銘柄に対して、機関投資家等が売り仕掛けを行ってくるのは特に珍しいことではありません!
通常であれば、業績を逸脱して高騰してしまった株価は、高値で維持することは出来ずに急落することが大半です!
こうした株価の下落を狙ったヘッジファンドに対して、ロビンフッターが米SNSであるredditの中の掲示板「wallstreetbets」に集い、次々と購入に走ったのです!!
因みに、ロビンフッターとは米国のロビンフッド証券が提供するスマホの株式取引アプリ「ロビンフッド」で売買を行う個人投資家のことです。
確かに、1人当たりの投資額は小さいかもしれませんが、多くの個人投資家が集団で購入に走ると巨大な「買い」となります!
これにより、空売りを仕掛けていたヘッジファンドは株価が想定通りに下がらず、損失を限定するために空売りの買戻しを行いました。
これにより、買いが買いを呼ぶ展開となり、株価は僅かな期間で483ドル付近まで急騰することになったのです!
ただ、この空売りの踏み上げは、特に珍しいものではありません!
日本市場でも、毎日、どこかの銘柄では空売りが踏み上げられていると言っても過言ではありません!
株式相場においては日常的なものに過ぎません!
では、今回の出来事は何が違ったのでしょうか?
それは、踏み上げられたのが「ヘッジファンド」であり、逆に踏みあげたのが「個人投資家(ロビンフッター)」だったと言うことです!
従来の基本的な考え方としては、マーケットの価格を支配しているのは、巨額の資金を有する機関投資家です。
機関投資家の前には、個人投資家の資金など僅かなものであり、抗うことは不可能です!
ですから、我々個人投資家が取引を行う場合は、機関投資家がどのような行動をするかを想定し、養分にされないように細心の注意をしながら、如何にして利益が得るかと考えて行動します。
このように、機関投資家は抗うものではなく、その行動を推測した上で、自分がどう動くかと考えると言うのがこれまでの一般的な考え方でした。
そのような中、今回の出来事は、個人投資家が巨額の資金を有するヘッジファンドを倒してしまったのです!
このインパクトは、計り知れません!
これまでの常識が、非常識になってしまったのです!
勿論、こうしたSNSなどを使って、個人投資家が連携して株式の購入をすることが株価操作に該当するのかは分かりません。
今後、規制当局はこうしたスキームに対して、何らかの考え方を示してくる可能性はあり得ます。
ですから、こうしたスキームが今後も頻繁に行われるようになって行くのかは不明です!
ただ、こうしたスキームが許容されるのであれば、ヘッジファンドが仕掛けて来たとしても、必ずしもヘッジファンドが勝つというシナリオが成り立たなくなります。
勿論、これまでの機関投資家が負けることはあったのですが、個人投資家がタッグを組んでヘッジファンドに挑むという図式は、少なくとも一般的ではありませんでした!
然しながら、今後は大口の投資家が打ち負かされると言うことも念頭に置きながら、取引を行うことを余儀なくされる可能性が生じています!
また、そもそもヘッジファンドなどの巨額な資金を有する投資機関自体も、今回の出来事を踏まえて投資行動を見直して来る可能性も考えられます!
そうなると、これまでの有効であった取引パターンが機能しなくなる可能性も出てきます。
勿論、投資を取り巻く環境は日々変わっており、常に環境に合わせて柔軟に変化をして行かなければ生き残って行くのは難しいです。
ですから、今回の出来事もこうした取り巻く環境の変化の1つとして捉えれば良いのかもしれません!
ただ、株式市場の中で個人と機関投資家の力関係が変化してしまうほどの変化であり、今後の取引に大きな影響を及ぼす可能性を秘めているのは間違いありません!
そして、重要なのは日本の市場でもこうした事態が起きても、全く不思議ではないと言うことです!
今後の規制当局の出方については、注視していく必要がありそうですね!!