株式投資で「安く買う」とは、二つの意味がある!
直近の株式投資は、かなり難しい局面が続いてますね!
米国市場では、高値もみ合いのラインを下抜けつつあり、テクニカル的に見ると、株価はいつ大きく下落してもおかしくない状況になっています。
他方、日本株の方は高値もみ合いのラインで、ギリギリ保っているものの、こちらもいつ高値もみ合いのラインをした抜けしてもおかしくない状況です。
正直、ここから先は、一気に下落に転じるのか、それともこの辺りで切り返すのか、下限ラインで横ばいになるのかは分かりません。
アナリストの場合は、一定の結論を出さなければならないのでしょうが、別に投資家は結論を出す必要はありません。
どのパターンになったらどのように対処すると事前に想定をしておきつつ、自分なりの仮定を立ててこのようなシナリオになる可能性が高そうなので、このように投資をするという判断をすれば良いだけです。
そして、シナリオ通りにいかなかった場合は、損失は受け入れつつ、最小限の損失で済むように、事前に逆指値を設定しておくなどの対処をしておく必要はあります。
因みに、このような株式市場が不安定な状況になると、俄かに脚光を浴びてくる言葉は
「株を安く買う」
と言う言葉です。
株式投資で「安く買う」とは、二つの意味がある!
株式投資をしていると、、
「安い物を買って、高くなったら売れ」
と言う言葉は、もう飽きるくらい聞き尽くしたかと思います。
確かに、「安く買う」と言うのは、どの時期であっても重要な観点であることは間違いありません!
但し、この「安い」と言う言葉には、二つの意味があります。
具体的には、
1.その企業の根源的価値と比べて、安い価格の株式を買う
2.将来の上昇を見込んだ株価と比べて、安い価格の株式を買う
の二つです。
これは、バリュー株だから「1」で、グロース株だから「2」と言うほど単純なものではありません。
バリュー株でもグロース株でも、「1」「2」のどちらもあり得ます。
確かに、グロース株のように成長率の高い会社を「1」のような観点で買うのが理想かもしれません。
但し、当然、そのような銘柄は、既に高い株価になっていることが多く、「2」のような観点で買うことになりがちです!
しかし、この場合、直近のような不安定なマーケット状況になると、全体相場に巻き込まれて一時的に大きく下落する可能性が高まります。
他方、バリュー株の場合は、一般的には、企業成長が乏しいとか、株主還元に重きを置いてないなどの理由から、安地で放置されがちですが、直近ではバフェットによる買い出動や、PBR1.0以下銘柄へのテコ入れなどもあり、急速に注目が集まり株価は上昇してしまっています。
そのため、バリュー株の購入においても、グロース株などと比べるとPERは低い傾向にあるものの、残された成長余力に比べると既に高くなっており、バリュー株にもかかわらず「2」のような観点で買う場合が多くなっていました。
成長率の高い会社を「安く」買える局面がやって来る!?
若干話を戻しますが、直近の株式相場が高値もみ合いのラインを一気に割り込み、大きく下落に転じると
「成長率の高い会社を「1」のような観点で買える」
と言う局面がやってくるのかもしれません!
では、仮に上記のような局面が来た場合は、バリュー株とグロース株のどちらが良いのでしょうか?
正直、これは、何とも悩ましいところです・・。
直近において、米国のマーケットは、下落傾向が続いているとは言え、各種指標は依然として強いデータが出続けています。
そのため、FRBとしても、マーケットが少々下落に転じたからと言って、一喜一憂して金利を下落させてしまえば、インフレが高止まりし兼ねません・・。
FRBとしては、高インフレが慢性化するのを、一番嫌がるはずです!
ですから、高金利の状況は暫く続くと考えておいた方が無難です・・。
そうなると、グロース系銘柄が上昇に転じるのは、まだ時間が掛かってしまうかもしれません!!
では、バリュー系銘柄が良いかと言うと、このもまた悩ましいところですね・・。
このタイミングで株価が大きく下落する場合でも、何れ機関投資家などは、一時的に現金化したとしても、どこかにお金を投下する必要があります。
仮に、高金利がの状況が暫く続くと考えるならば、バリュー株にお金が戻ってくると考えられるかもしれません。
但し、バリュー株を既に適正水準を超えていると判断するならば、投資判断としては微妙かもしれません・・。
と言うのは、バリュー株で「2」のような観点で購入が難しくなりつつある場合、「1」のような適正株価との差分を狙うような、所謂王道のバリュー投資となりますが、その期待できる幅は過去よりも小さなものになってしまっているとも言えます。
そのため、今後のバリュー株は適正水準かその少し上位で高止まりすると仮定する場合、余り大きな株価上昇は望めないかもしれないのです。
では、長期投資をしながら配当を貰うというのはどうなのでしょうか?
この場合、2024年頃には高金利によって、企業の実態実績にもマイナス影響が顕著になって来るとも言われておりますので、来年には金利低下に舵を切り、グロース優位にマーケットが転換する可能性も否定できません・・。
こうなると、数年分の配当などは一気に消し飛ぶくらい、下落してしまう可能性もあります。
勿論、バリュー株なので、致命傷になるような下落は免れられる可能性は高そうですが・・
まあ、取り留めもないことを書いてしまいましたが、現在の相場では、誰もが簡単に分かるようなシンプルなシナリオは描き難く、色々なシナリオが想定される状況です!
そして、それが日々刻々と変わっていく状況です。
そのため、結構難しい局面ではありますね!
但し、個人投資家としては、冒頭にも述べたように、ある一定の仮定に基づいてシナリオを立てて、どのパターンになったらどのように対処すると事前に想定をしておきつつ、自分なりの仮定を立ててこのようなシナリオになる可能性が高そうなので、このように投資をするという判断をして行くしかありません!
それか、マーケット状況による影響の小さい短期投資として小さな利益を抜いて行くしかないかもしれません。
それか、徹底的に個別銘柄を分析しきって長期で上がる銘柄をバイ&ホールドするのもありかもしれません・・
とは言え、ここで反転して、一気に上昇相場が続くと、また対処方法は変わって来ますので、本当にマーケットは難しいものですね!!