株式投資と為替(FX)のどちらが良いのか?
投資を始めようとする際に、意外と多くの方が迷われるのではないでしょうか?
勿論、株式投資とFXのどちらでも、勝っている人もいれば、負けている人もいます。
よって、どちらが優れているかと言う比較は、あまり意味をなさないと思います。
重要なのは、それぞれの特性を理解し、自分にとってどちらが向いているかを判断することが重要なのだと思います。
株式投資と為替(FX)の違いとは?
株式投資と為替(FX)の違いを比較した場合、考慮すべき特性とはどのようなものがあるのでしょうか?
勿論、両者を比較した場合、違いは色々とあります。
材料や市場参加者による影響とは?
その中でも重要なものは、「株価や為替の値動き影響を与える材料」や「参加者」の多寡だと思っています。
為替の場合は、世界の金融政策、政治動向、通貨の需給、景気動向、各種統計資料など、様々なものに影響されます。
しかし、これら全ての材料を、一個人投資家が、完璧に分析し投資するのはほぼ不可能です。
つまり、為替をファンダメンタル的にな観点で、一個人投資家が分析しきるのは、限りなく困難と言っても良いと思います。
一方で、株式市場も、FXと同様に政治動向や金融政策などの外部要因や、企業業績、製品発表、一時的な需給など、様々なものに影響されます。
株式投資の場合、サプライズ的に好業績が出ると、外部環境などに依存せずに、株価が上昇することが多いです。
やはり、株式投資の場合は、反応する材料の範囲は、FXと比較すると少なくなります。
株式投資の方が、他の参加者の動向は読みやすい?
そして、株式投資と為替(FX)のどちらかを選択するうえで、最も重要な違いのひとつが、『他の市場参加者の動向の読みやすさ』と言う観点となります。
例えば株式投資の場合、信用取引による売り残・買い残などの推移をみると、どこのタイミングで大量の売りを仕掛けたな!と言ったことが、手に取るように見て取れます。
また、業績発表や製品情報などの発表後に、株価が大きく反応した場合、その材料をもとに参入したことが分かりますので、その後、それらの参入者が利益確定やロスカットを実施するために、どのような価格帯で、どういった動きを取りそうかと言ったことを読み解くことが出来ます。
勿論、為替(FX)の場合も、発表材料などから市場参加者がどのような価格帯で、どういった動きを取りそうかと言ったことを読むことは可能ですが、やはり発表する材料も多いですし、市場参加者も多いので材料に対する判断も難しくなります、そして何よりも発行株式数と比較して通貨量の方が、桁が違うほど違いますので、どうしてもFXの方がこうした動きは読み難くなってしまいます。
しかし、逆の捉え方をすると、こうした取引量の多さや関係者の多さが、為替(FX)ならではの取引を可能とします。
先にも述べた通り、為替(FX)は取引の参加者が多いため、市場に柔軟性が高まります。
株式投資で不人気株の場合は、その銘柄の1日の取引が、自分の取り引きしか無かったなどと言ったことも、現実的に起こってしまいます。
しかし、ドル円の取引で、そのようなことはあり得ません。
また、為替(FX)は、相場の変動に影響する材料も様々なものになります。
そのため、ファンダメンタルを分析するよりも、チャートなどを基にしたテクニカル分析の方が向いていると言えます。
株式投資は銘柄選定が必要だが、銘柄選定によるメリットもある!
また、当然ですが、株式は東証への上場数だけでも数千社に及びますので、その中から銘柄を選定するには、相応の時間が必要となります。
一方で、FXの場合は、通貨ペアの組み合わせは多数ありますが、ドル・ユーロ・豪ドル・ポンドなど、主要通貨は限られますので、株式の上場数と比較すると対象を選定する作業量は少なくてすみます。
株式投資における銘柄選定は、ある程度慣れてくると効率的に分析・選定が出来るようになってきますが、やはりそこまでにたどり着くには、それなりの時間を費やす必要はあります。
しかし、そこを乗り越えることが出来ると、前述させて頂いたように、その銘柄ならではの株価の歪を見つけることが出来、それを収益に変えることが出来るようになってきます。
そもそもですが、株価は企業業績に大きく影響を受けます。
そして、当然ですが重要なポイントそていは、企業は企業利益を追求する組織であるということです。
つまり簡単に言ってしまうと、企業とは儲けることを目標にしている訳ですから、基本的には右肩上がりにベクトルは向く方向にあります。
勿論、業績悪化や需給の動向などの影響で、単純に右肩上がりになるわけではありませんが、本来は右肩上が値の中で、諸々の条件が株価をどのように動かすかと考えると、ファンダメンタル的な観点から株価の動向が判断しやすくなります。
一方で、円高と円安は、輸出業者・輸入業者の双方に、メリット・デメリットがあり、一概にどちらが良いとは言えません。
そこのことが、FXにおいてファンダメンタル分析を採用することが難しい要因の一つになります。
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取り引き時間による影響とは?
その他としては、取り引き時間の違いによる影響です。
日本株の場合は、取引時間は基本的には東京証券取引所などの取引所での立会時間である平日の9時から15時までとなります。
但し、11時30分から12時30分までは昼休み時間となりますので、取引可能な時間は、1日に5時間となります。
一方で、為替(FX)は世界の主要市場で取り引きされるため、土日を除いて、ほぼ24時間取り引きされています。
そのため、日中はサラリーマンをやりながら兼業で株式投資を実施する場合、画面見続けながら実施することは出来ません。
そのため、1日のうちに決裁をする取り引きが、取引が有利か不利かと言った議論は別として、スキャルピングやデイトレードのような手法は取り難い状況になります。
しかし、FXの場合は、帰宅後もリアルタイムでの取り引きが可能なため、どうしても短期取引で画面を見ながら実施したい方は、FXの方が向いていることになります。
取引時間と材料発表の影響とは?
また、取引時間の違いは、材料の発表に伴う価格(株価や為替の変動)への影響も異なります。
例えば、株式投資の場合、多くの材料の発表は15時以降に実施されることが多くなります。
もし仮に、好材料が発表されて市場にサプライズをもたらした場合は、PTSなどの時間外取引もありますが、基本的に翌日の取り引きから、その材料を加味した価格で株価が推移することとなります。
当然、サプライズで好材料が出た場合は、その株を欲しがる人も増えるわけですので、開始時に窓を空けて株価が上昇する可能性が高まります。
逆に、サプライズで悪材料が出た場合は、窓を空けて株価が下落してしまいます。
しかし、為替市場の場合は24時間取引がされてますので、当然材料も取引時間内になることが大半です。
そうなると、一気に為替が変動することもありますが、取引時間内に対策を打つことが可能となります。
そのため、逆指値などによってストップを設置しておいた場合、よほどのインパクトのある材料でない限りは、FXでは一定範囲で約定されます。
しかし、株式投資ではストップ安が連続し、価格が付いた時には大幅な下落に見舞われてしまうと言ったことも生じえます。
株式投資と為替(FX)の違いと、選択する際に重要なこととは?
ご存じの方も多いでしょうが、株式市場における大幅な下落として「サンバイオショック」というものが、直近でも発生しています。
サンバイオとは、創薬ベンチャー企業のことですが、1月29日に新薬の臨床試験が不調に終わったことを発表すると、発表に失望した人による売りが殺到し、ストップ安となりました。
しかし翌日以降もストップ安が続き、2月5日に価格が約定した時には、下落前に1万2千円以上を付けていた株価が2400円付近となり、数日で5分の1程度まで株価が暴落をしてしまいました。
しかし、その暴落中に、値が付かなかったことから、逆指値によるロスカットも出来ませんでした。
つまり、1億円持っていた人がいたとすると、値が付いた時には2000万円程度に資産が激減してしまったことになります。
更に、信用買いをしていた人ですが、一気に破産に追いやられてしまうレベルのインパクトです。
勿論、こうした値動きがトヨタや三菱UFJフィナンシャル・グループで起きるとは思いませんが、出来高の少なさによってマーケットの柔軟性がないと、このような変動が生じてしまうのも事実です。
一方で、為替は、その国の通貨の価値そのものですので、少し状況は異なります。
万が一、上記のようなレベルの変動が生じてしまうと、一企業にとどまらず、その国の企業活動や国民の実生活に、甚大な影響を及ぼすことになってしまいます。
よって、流石にサンバイオのような変動は生じ難い状況ではあります。
しかし、FXは、株式投資に比べて高レバレッジが掛けられますので、欲を出して、取り引きを誤れば大きな打撃を受けることになります。
株式投資と為替(FX)の特性を理解することが重要
このように、結局のところ、株式投資と為替(FX)には、一長一短があり、どちらが良いと言うものではありません。
それぞれに特性があり、各人の性格や投資スタイルによって、どちらを選ぶべきかが変わってくるのだと思います。
しかし、株式投資と為替(FX)それぞれの特性を理解せずに、雰囲気だけで取引を実施してしまうと、大きな損失を被る可能性がありますので、まずはそれぞれの特性を理解した上で、取引を開始・継続することが、とても重要なのだと思います。
あまり株式とFXの違いが判らなかったのですが、
細かな違いがあるのだなと勉強になりました。
今後参考にさせていただきます。