投資が投機とは異なる点とは?投資はギャンブルで危険なのか?

株式などの投資を始めると、周りの人からは「そんな危ないギャンブルはやめなさい!」と言われることが多いと思います。

そもそも、「投機」と「投資」とでは、どこが違っているのでしょうか?

投機と投資は、何が違うのか?

勿論、明確な定義があるわけではありません。

しかし、両者の違いを一言で言うならば、

「投機」とは【確立】に対してお金を投じることであり、「投資」は【価値】に対してお金を投じることです。

「投機」でも「投資」でも、株価や為替の価格が、上下のどちらかに動くことを推測して、お金を投じると言うスタンスには違いはありません。

しかし、両者がお金を投じる際の考え方には、大きな違いがあります。

デイトレなどの短期取引が、投機と言われる理由とは?

例えば、デイトレードなどの短期取引は、「投機」と言われることが多いです。

では、実際にデイトレードなどの短期取引は、【確立】に対してお金を投じているのでしょうか?

当然ですが、当然ですが株価や為替などの価格は、いずれは上下のどちらかに動くことになります。

仮に、価格が現在値よりも上昇すると想定してお金を投じてエントリーしたとします。

この場合、勝てる確率は50%と思われるかもしれませんが、手数料を取られているので、既に確率は50%を下回っている状況となります。

そのため、デイトレーダーなどは、過去の値動きなどをバックテスト(=過去検証)などを実施して、どのような状況の時にエントリーすれば、高い確率で勝てるかということを導き出します。

そして、導き出した検証結果に基づいて、エントリーを実施することになります。

例えるならば、サイコロを振って、1から4までならば勝ちで、5と6だけ負けと言うような状況を見つけ出し、このような状況が巡ってきたタイミングでエントリーするというような状況です。

この場合、計算上では、66.7%の確率で勝てるはずのですが、結果は確率と同じように66.7%の確率で勝てるとは限りません。

例えば、5回サイコロを振った場合、全てが5か6ということもあり得るのです。

しかし、サイコロを一万回、振った場合はどうなるでしょうか?

少なくとも5回振った場合と比較すれば、圧倒的に1~4が出る確率が高まるはずです!

そして、大数の法則に従って、66.7%の確率に収束していくはずなのです!

このように、デイトレなどの短期の取引は、【確立】に対してお金を投じている状況のため「投機」と言えるのです。

投資が投機とは異なっているのは、どのような点なのか?

一方で、「投資」とは【価値】に対してお金を投じることと言いましたが、投機とはどのような点が異なっているのでしょうか?

少し単純な例で示してみたいと思います。

例えば、5人が集まって会社を作ったとします。

仮に1000万円の資金があった場合、単純に言ってしまうと、一人頭200万円が持ち分となります。

当然、会社の場合、利益を出して行くことが至上命題となります。

仮に1年間で500万円の利益が出た場合、税金とか細かい話を抜きにした場合、資金は1500万円となります。

これを5人で割ると、300万円/人となり、昨年時点から100万円増えたことになります。

つまり投資とは、一人頭の分配金が200万円の時に、会社の成長を見越して来年度には300万円/人となる価値を有している、価値の差に気が付いて投資をした人が得られる「経済的な付加価値」と言えるのです。

株式投資は本当にギャンブルではないのか?その理由とは?

よく、株式投資を投機とかギャンブルと言う人がいます。

ギャンブルとは45%の人が勝ったとしても、55%の人が負けると言うような、確率の話でしかありません。

一方で、投資とは、魅力あるサービスを世の中に提供することによって利益が右肩上がりに上昇している場合、この会社に投資した投資家は全員が資産を増やすことになります。

よって、現在ある富の奪い合いをしているものとは別次元の話なのです。

資産形成において、投機と投資のどちらが優れているという議論は無意味である!

繰り返しになりますが、「投資」が「投機」よりも優れているなどと言ったこと言うつもりは毛頭ありません。

先ほどの例で言うと、「1から4までならば勝ちで、5と6だけ負け」と言うような状況で、資金管理などをしっかりとした上で、取引を重ねて行けば確率論からすると勝てる可能性が限りなく高いと言えるからです。

資産を増やすと言うことを大前提とした場合、「投資」と「投機」のどちらが優れていると言う議論も無意味だと思います。

当然、「投機」でも勝っている人もいますし、「投資」でも負けている人もいるからです!

投資も投機も、市場に経済的価値をもたらしている!

また、違う観点として、投資は市場に経済的価値をもたらすが、投機はパイの奪い合いであり、経済的価値をもたらしていないと言う人がいます。

果たしてそうなのでしょうか?

スキャルピングやデイトレード、スイングトレードなどの短期投資の特性として、短い時間に多くの取引を行うと言った点があります!

これは、非常に重要なことで、市場に柔軟性をもたらしているのです!

もっと単純に言ってしまうと、市場に多くの出来高をもたらしてくれるおかげで、私たちが売りたい時に売りたい価格で売却することが可能となります。

投機と投資の取引スタンスの違いを理解することが大切である!

取引を実践する中で、一つのスタンスに固執してしまうと、他の考え方や手法を、否定してしまいがちです。

しかし、他の手法から学ぶべき観点は多くあります。

よって、「投資」中心に取引を行っている人が、「投機」の考え方や手法を学んでおくことは非常に有益です!

なぜならば、「投資」と思って実施していた取引が、気が付いたらギャンブルになっていたということは良くあるためです!

従って、私たちにとって大切なことは、夫々の取引の特性を理解した上で、自分の置かれている環境や性格などを考慮して、自分に一番合った手法を選択して行くことが重要なのだと思います!