投資を行っていると、「損失を最小限にすることが重要である」と言ったことばを良く耳にします。
勿論、100戦して100勝することは不可能です。
しかし、仮に99勝しても、たった1つの負けで、投資から撤退しなければならないと言ったことも、現実的に起こり得る話です。
投資を始めたころは、どのように利益を出すかという所にフォーカスしがちです。
そして、利益が出ると「上手くいった~!」と、稼いだ額を数えたりするものです。
一方で、含み損が出ている場合は、まだロスカットしていないので損失は確定した訳ではない!と考えるものです。
しかし、株価はそのうち戻るだろうと考えているうちに、損失がどんどん膨らんでいって、塩漬け株になってしまったなどと言ったことは、一度は経験したことが有るのではないでしょうか?
投資は損失のコントロールが一番重要である!
投資において重要なのは、利益ではなく、損失のコントロールが出来ているかの方が重要だと考えます。
利益が積みあがって行かなければ資産は増えませんが、投資から撤退しなければならないと言った事態にはなりません。
しかし、損失はちょっとしたコントロール不足で、あっという間に身を滅ぼしてしまいます。
まず、肝に銘じておかなければならないことは、投資は必ず勝てるとは限らないということです。
当然、私たちが投資を行う際に、負けるためにエントリーする人は誰もいません。
何らかのエッジがある状況であり、勝てる可能性が高いと考えるため、身銭を削った資金を投下してエントリーするわけです。
しかし、一度エントリーした後は、価格が自分の想定した方向に進むか、それとも想定外の方向に進んでしまうかは、マーケットに委ねるしかありません。
その後に、我々が出来ることは、自分の想定した方向に価格が進んだ場合は、どの程度のレベルで利益確定をするかを決めることになります。
一方、定外の方向に進んでしまった場合は、どこでロスカットをするかを決める必要が生じます。
利益については、自分の従来の資産に、プラスになる訳なので問題はないのですが、損失はどの程度に留められるかは、今後の投資に大きく影響を及ぼします。
勿論、夫々の人の状況にもよりますが、損失が保有資産の1~2割程度であれば、まだ再起は可能です。
しかし、これが5割程度の損失になるとかなり大きな痛手になります。
そして、8~9割レベルになると、市場からの撤退も余儀なくされる可能性が出てきます。
投資は複利で積み上げて行くので、大きな損失を被ると何年分もやり直す必要が生じてしまう!
投資とは、複利の効果で二次放物線を描いて上昇していくわけですが、大きな損失を出してしまうと、何段階も前からやり直す必要が生じて、期間的に大きなロスを被ることになります。
当然、我々には与えられた人生は有限なので、こうした人生のロスは可能な限り少なくしなければなりません。
それこそ、投資で成功したのは良いが、足腰が動かなくなってしまっていると言うことになりかねません。
投資で勝てない人は、どうしたら勝てるではなく、どうしたら損失を最小限に抑えられるかと考えるべきである!
投資で、安定して勝てないと言う方は、まずは投資で勝った場合の利益を計算するのではなく、どのようにしたら損失を最小限に出来るかを考えるべきです。
当然、勝てる確立が高いところでエントリーしている訳なので、損失をコントロールできるようになれば、自ずと利益は積みあがって行くはずです。
もし、利益が積みあがって行かないのであれば、投資手法や、銘柄選定、エントリータイミングなど、色々と見直しが必要です。
特に投資を始めた当初は、こうした試行錯誤を繰り返していかなければなりません。
しかし、こうした試行錯誤を繰り返す中で、大きな損失を出して、投資から撤退を余儀なくされてしまった場合は、もしかしたらもう少しで安定して勝てるようになっていたはずだったかもしれないのに、撤退したことによって成功をつかみ取ることが出来なかったかもしれません!
そのため、まずは損失をコントロールして、試行錯誤を続ける時間を確保することが重要です。
こうすることで、失敗から学んで成長していく時間を稼ぐことが出来るのです!
一方で、この試行錯誤しながら成長していく過程で、取り返しのつかないほどの損失を被ってしまうと、再起が難しくなってしまい、せっかく成功までもう一歩だったかもしれないのに、足を洗うはめになってしまうかもしれません。
因みに、投資をしながら損失を最小限に食い留める中で、損切り(ロスカット)をどのように使えば、損失をコントロール出来るかについては、こちらの記事に書いてますので、良かったらご参考までにご覧ください。
歴史上の名称も、負けた時の対処方法がうまかった人が多い!
歴史上でも、名称と言われる人たちは、負けた時の撤退などの、負けた時の対象方が本当にうまいと感じています。
そもそも名称の場合、負けるという状況になる前に、殆ど負けないような土俵で戦っていることが多いです。
例えば、豊臣秀吉の場合、白兵戦などによって自軍の兵力が減ることをさけるため、兵糧攻めなどを多用しています。
投資も同様で、自分の手持ちである兵力を、如何に減らさないような戦いが出来るかということが、長期的に生き残っていく上で極めて重要なのだと思います。
投資を続けて行くと時流に乗るタイミングは必ず来る!
投資とは極論を言ってしまうと、時流に乗っている時期に出くわすことが出来れば、殆どの人が勝てたりします。
しかし、そのタイミングで、投資を続けられており、かつ、投入できる資金が手元になければ、流れが来てもそれに乗ることは出来ません。
アベノミクス初動のタイミングで儲かった人のことを、運が良かっただけと言う人もいますが、そのタイミングで投資を出来ていたということが非常に重要なのだと思います。
勿論、実力がないのに運だけで儲かった人は、この後の暴落時に資金の大半を失ってしまうことになるのだと思います。
しかし、それまでの景気の上げ下げを経験している人は、それまでの景気後退局面でも、撤退を余儀なくされず生き残って来れたからこそ、アベノミクスから儲けることが出来たのだと思います。
ウォーレンバフェットも、「ルール その1:絶対に損をするな。ルール その2:絶対にルール1を忘れるな」と言ってますが、投資においては勝つことではなく、どうやったら負けを小さくしていけるかを考え続けて行くことが重要なのだと感じています。