
株式投資を実施する場合、分散と集中のどちらが良いのか?
投資をしたことがある人ならば、そんな疑問を一度は持ったことはあるのではないでしょうか?
そして、良く聞く話はこんな言葉です!
「投資は危険である。だから分散をして、安全に運用しなければならない」
果たして本当でしょうか?
分散投資は本当に安全なのか?
株式投資に、リスクが無いなどと言うつもりはありません。
当然、リターンを期待する以上、リスクとの隣りあわせであることは間違いありません。
そのため、損失を限りなく限定するための努力が欠かせないのは確かです。
しかし、分散投資が損失の限定をしているかと言うと、そうとは思いません。
分散投資をし過ぎると、投資のコントロールを失ってしまう!
ちょっと極端な例ですが、仮に500銘柄位に分散投資を実施したとします。
すると、どうなるでしょうか?
これだけ多くの銘柄に投資をすると、結果はインデックスと似通ったものになってきます。
このような分散投資を実施した場合、市場が右肩上がりであれば、投資結果も自ずと右肩上がりになる可能性が高まります。
しかし、常に市場が右肩あがりとは限らず、不景気などの時には、市場全体が下落傾向になってしまう場合もあります。
もし、投資成績が、仮にマイナスだったとしても、日経平均と同程度であれば問題ないと言うのであれば、こうした手法は有効であるとも言えます。
しかし、個人投資家は自分の貴重な財産を投下している訳ですので、日経平均と同程度の結果であっても、マイナスの結果は許容できないはずです。
特に初期段階の個人投資家は、資産がそれほど多くないことが大半です。
そのような状況の時に、銘柄を分散していると、資産の増減は日経平均などの結果次第となってしまいます。
そのため、右肩上がりの好景気の時には、インデックスと連動して資産が増えて成金が出てきますが、こうした人は不景気になると、あっと言う間に資産を失ってしまうのです。
更に、大量に銘柄を保有する場合、管理も大変になります。
簡単に考えてみればわかると思いますが、一人の個人投資家が数百もの銘柄の業績や株価動向などを、管理し続けるのは困難です。
そうなると、大半は放置するしかありません。
つまり、自らがコントロールして資産を増やす状況ではなく、運任せの投資となってしまうのです。
既に多額の資金を保有している場合は、分散投資も有効である!
但し、保有資産を大量に持っている人が、資産の安全性を考慮して運用している場合は、話は異なってきます。
例えば、時価総額の大きな銘柄で、配当率が高い銘柄の場合、株価は下がり難くなる傾向があります。
仮に、配当が5~6%程度もあり、更に、当面の間は減配の可能性が限りなく低い銘柄の場合、保有しているだけで5~6%程度の運用が可能となります。
当然、安全性を優先する投資機関の場合、5~6%程度の運用結果でも十分と捉えるところは多くあると思います。
こうした銘柄の場合は、株価が下落すると、配当率は更に高まることから、株価が下落すると資金が流入し、株価が下がりにくいと言った傾向があります。
既に大きな資産を保有している場合は、5~6%程度の運用結果でも、リターンの絶対額は大きなものとなるので、こうした銘柄を分散して保有していれば、仮に数銘柄下がってしまっても、ある程度のリターンが期待できます。
勿論、減配してしまえば、株価は下落するリスクが高まるので、単純に保有すれば良いと言うものではありません。
当然、定期的に銘柄の見直しも必要となります。
分散投資にも色々と手法がありますので、上記は一例にすぎませんが、既に多額の資産を保有している場合は、選択できる投資手法が増えることは確かです。
株式投資の初期段階は、集中投資をすべきである!
繰り返しになりますが、こうした分散投資が活きてくるのは、既に多くの資産を持っている場合となります。
そもそも保有資産が小さければ、大した銘柄数も買えませんので、分散することすらも出来ません。
よって、投資の初期段階に際しては、自ら銘柄を選定し、常に保有銘柄の監視を実施しつつ、利確と損切を行っていく必要があります。
そして、リスクを負ってでも高いリターンを期待したいのであれば、そうした銘柄を選定する必要がありますし、リターンは低くても安全に運用したいのであれば、そうした銘柄を選定する必要があります。
但し、資産管理の観点でも、投資手腕を磨く観点でも、株式投資の初期段階においては、集中投資の方が良いと思います。
結局のところ、投資手法が確立出来ていない状況では、分散投資であろうと、集中投資であろうと、どちらにせよトータルで勝つことは困難です。
そうであれば、比較的自分のコントロール効きやすく、且つ、投資手法を磨きやすい集中投資の方が、良いのだと思います。