中長期投資で、勝てるようにならない理由とは?
株式投資において、中長期投資で投資をされている方は多いと思います。
しかし、中長期で投資をしていても、なかなか勝てるようにならないと言う人は多いのではないでしょうか?
勿論、勝てるようにならない理由は、色々とあります!
しかし、勝てない人に共通する要因として、
当初は中長期投資のつもりだったが、勝てる見込みが極めて薄い銘柄を、損切り(ロスカット)することも出来ずに、単に長く保有しているだけ!
と言った状況に陥っていることが良くあります。
少し、判り難かったかもしれません!
もう少し、詳しく説明をさせて頂きます。
「株式を長く保有する」と言うエッセンスを、都合の良いように解釈してしまっている!
まず、中長期投資を実践されている方の殆どが、ウォーレン・バフェットなどの本を読まれているかと思います。
ウォーレン・バフェットなどの本を読まれている方の場合、「その株の価値よりも割安な価格で購入する」と言う手法を取られている方が大半だと思います。
更に、バフェットは、「持続的競争力を有する会社の株式を、最良のタイミングで購入できた場合は、基本的には売却せずに保有を続ける」とされていますので、中長期で保有される方が多いと思います。
勿論、投資の神様の手法について、云々申し上げるつもりは毛頭ありませんし、私も基本的に同様の手法で投資を実施しています。
但し、中長期で勝てない人の多くが、ここで言う「株式を長く保有する」と言うエッセンスを、自分にとって都合の良いように解釈してしまっていると言うことが良くあるのです!
まず、こうした中長期でのバリュー株投資において、陥りがちな罠をしっかりと抑えておかなければなりません。
中長期投資で、勝てない状況が、どのようにして生じてしまうのか
例えば、上記の図において、本来は1,300円の価値があると考える株式銘柄を、他の人がその価値に気が付く前において1,000円で購入したとします。
当然ですが、この銘柄を購入した後に、マーケットで1,000円以上の価値あること気が付かれた場合は、株価は【B】の方向に推移することが期待されます。
中長期投資をメインとされている方は、基本的にこうした考え方をベースに投資をされているかと思います。
但し、この場合、重要な観点を抑えておかなければなりません。
まず、こうした投資手法の場合、他の人がその価値に気が付く前において投資を実施することになります。
図で言うと、【A】のタイミングとなります。
このタイミングでは、マーケットにおいて、1,000円以上の価値があると言うことは、知れ渡っていません。
そのため、この銘柄には投資資金が集まらず、割安に放置され気味となります。
更に、バリュー株投資などでは、逆張り的なタイミングでエントリーすることも多いと思いますので、価値に気が付かれるまでは、株価は【D】のようにズルズルと下落してしまう可能性もあります。
当然、こうした手法の場合、マーケットで価値が気が付かれるまでの【D】のような期間は、含み損であっても耐えなければなりません。
勿論、ピンポイントで上昇に転じるタイミングでエントリーできれば良いのですが、毎回完璧なタイミングでエントリーするのは困難です。
よって、多くの場合、【B】に至る前には、一定程度の含み損を抱えてしまう可能性が高まります。
仮に【D】の状況になって含み損を抱えたとしても、エントリー時の想定通り、マーケットがこの銘柄の価値に気が付き、【B】の方向に株価が動けば問題ありません。
しかし、実態としては、100%の確率で、自分の業績分析が当たるとは限りません。
エントリー時の想定には反して、業績が芳しくなく【C】の方向に株価が推移してしまうこともあります。
当然ですが、エントリー時とはストーリーが変わったので、この場合は損切り(ロスカット)が必要となります。
しかし、多くの人が、既に含み損を抱えているため、損切り(ロスカット)を躊躇して保有してしまいます。
長期で勝てない要因は、このタイミングで発生してしまうのです!!
冒頭でも説明しましたが、この時に、中長期で勝てない人の多くが、「株式を保有を続けることが重要」と言うエッセンスを、自分にとって都合の良いように解釈してしまって保有を続けてしまうのです!
塩漬け株がポートフォリオに溢れかえり、資産の増減は運次第となってしまう!
勿論、その後、業績改善が無かった場合でも、外部要因や一時的な需給のバランスの崩れによって、運よく株価が【B】の方向に進む可能性もあります。
しかし、持続的競争力を失って、業績改善の見込みが薄れた株価は、【C】の位置で放置されてしまう可能性が高いと言うのが実態です。
こうして、塩漬け株がポートフォリオに出来上がってしまうのです。
厄介なのは、こうした塩漬け株をロスカット出来ない人の場合、将来においてもまた同じような投資をしてしまい、塩漬け株を増やしてしまうと言うことを繰り返します。
すると、ポートフォリオには塩漬け株が溢れ、新たに投資する資金が枯渇します。
しかし、既に多くの含み損を抱えた銘柄を、損切りすることも出来ません。
すると、こうした塩漬け株は、外部要因や企業の業績などによって株価の上下はあるものの【B】の位置まで株価は上昇しないため、いつまで待っても利確して現金がすることが出来ません。
そのため、ポートフォリオ上の資産は、外部要因などによって増えたり減ったりしますが、コントロール不能な状況となってしまうのです。
こうなると、もはや、中長期投資とは言えません!
これは、「含み損が解消される可能性の低い銘柄を、只管上がることを祈って保有し続けるだけ」と言った状況に陥っているのです!
中長期投資においても、損切り(ロスカット)は不可欠である!
そもそも株式投資においては「勝てる期待値が高い」状況で、投資を実施して行くことが重要です。
当然、こうした「勝てる期待値が高い」状況だけ投資を実施した場合でも、毎回、株価は自分の思うような方向に進むとは限りません。
残念ながら、購入時のストーリーが崩れて、負けてしまうこともあります。
そのため、購入時のストーリーが崩れた場合は、潔く損切を実施しなければなりません。
しかし、こうした投資を続けて行くことで、大数の法則が働き、トータルとしては勝ちの方に収束していくことになります。
勿論、中長期投資は、数ヶ月~数年単位で保有することになりますので、短期投資のようにエントリーできる回数は多くはありません。
そのため、中長期投資においては、大数の法則は余り意味のない概念とも言えますし、こうした資金管理的な考え方は余り重要視されません。
しかし、保有期間の差はあれども、「勝てる期待値が高い」状況で投資を実施し、想定とはことなる状況に陥った場合は、中長期投資においても潔く損切は必要です。
こうすることで、勝てる期待値の高い銘柄へ再投資することが可能となり、自分の銘柄選定能力を向上して行けば、勝てる可能性が高まって行くことが期待できるのです!
塩漬け株を保有してしまっている人の多くが、損切り(ロスカット)しなければならないことは理解できている!しかし実行できない理由とは?
因みに、塩漬け株を多く保有してしまっている人も、こうした銘柄を処分しなければならないと言うことは理解できている人が大半なのだと思います。
しかし、多くの人が、株価が買値を上回ったら売却して、ポートフォリオの改善を図ろうと考えてしまうのです!
勿論、そうしたタイミングが訪れる可能性もありますが、それがいつになるかは不明です。
少なくとも、上昇する可能性の高い時期が分かっているような銘柄であれば、売却する必要はないからです!
そのため、株価がどうなるか見通せなくなってしまった銘柄を、ただ只管、上昇することを祈って保有し続けてしまうのです!
残念ながら、こうしているうちに、貴重な時間が失われて行ってしまうのです。
従って、塩漬け株が溢れかえって、身動きが取れなくなってしまっている人は、潔く損切を実施して、ポートフォリオを筋肉質になるように改善しなければなりません。
当然、言葉で言ってしまうと簡単なことはありません。
潔く損切をするには、本能に反する行動となるので、大きな痛みを伴います。
しかし、この一歩を踏み越えられないのであれば、投資で勝てるようになれないと言うことは理解しなければなりません。
なぜならば、「勝てる期待値が高い」状況で投資をしている訳ではなく、ただ運に任せて銘柄を保有しているに過ぎないからです!
もしこのような状況に陥っている方がいらっしゃるなら、辛いでしょうが、自らこの状況を乗り越えなければなりません。
それを乗り越えることが出来れば、次なるステップへ行けるのだと思います!
因みに、株式投資を始めて、勝てるようになるまでのステップについては、以下の記事にまとめてますので、まだ読んでない方は参考にして下さい!