
バフェットは株を永久保有するとは本当なのか?株式を売却せずに資産は増やせるのか?
ウォーレンバフェットに関する本は、書店に行けば沢山並んでいます!
そして、ウォーレンバフェットに関する、殆どの本に、
「ウォーレンバフェットが株を買う時は、『永久保有』が原則である。」
「良い株を買えば、売り時は存在しないからである」
と言った記載を見つけることが出来ます!
この言葉を、真正面から受け止めると、「良い株を買って長く持ち続けろ!」とも読むことが出来ます。
では、良い株を見つけて、それを長く保有し続ければ、億万長者になることが出来るのでしょうか?
勿論状況にもよりますが、個人投資家が「良い株を見つけて、それを長く保有し続ける」と言うことだけを行っていても、残念ながら億万長者になることは極めて困難なのだと思います!
株式投資は、銘柄を長く保有することが重要なのか?
先に言っておきますが、私はウォーレンバフェットは好きです。
特に株式投資を始めた頃の段階では、ウォーレンバフェットの本ばかりを読んでいました。
そして、バカの一つ覚えのように「良い株を見つけて、それを長く保有し続ければ良い」と思って投資を行ってきました。
当然ですが、この言葉は投資の神様が言っている言葉です。
なので、私がこの言葉に異論を唱えるつもりなど毛頭ありませんし、実際に投資の神髄とも言える言葉だと思っています!
その真意としては、
・永久に保有できる位の、良質の企業を見つけなさい!
とか、
・長期投資で「複利の効果」を味方につけなさい!
・目先の上げ下げに惑わされずに、長期的な視野に立って投資をしなさい!
等と言った意味合いを込めた言葉であると理解しています。
では、このような神髄をついた言葉にもかかわらず、この言葉に従って投資をして行っても、残念ながら億万長者になることが出来ないと言ったのでしょうか?
それは、この言葉は長期投資の本質を突いた言葉だが、投資で利益を上げて億万長者になるという目標に対して、そこまでの具体的な行動過程を指し示す言葉とは異なるということです。
これ、ムチャクチャ重要だと思いますが、分かりますでしょうか?
単に 、良い株を買って長く持ち続けても億万長者になれない理由とは?
少し、回りくどい言い方をしてしまったので、分かり難かったかと思います。
ちょっと解説させて頂きます!
そもそも論ですが、良質な株を「永久保有」して資産を増やすことは可能なのでしょうか?
それは、「YES」です。
例えば、下記のような長期に渡って右肩上がりの銘柄に投資をした場合、この銘柄を保有し続けているだけで資産は増加して行きます。

更に、ウォーレンバフェットの言うように、長期保有をしていれば、売買手数料も掛かりません。
「いや、いや、お前は、良い株を見つけて、それを長く保有し続けても、億万長者になれないって言ったじゃないか!!」
「主張を変えやがったな!?」
と言う声が聞こえて来そうです。
いいえ、変えてません!!
実態問題として、普通に学校を卒業して就職し、サラリーマンの傍らで、少しでも小遣いが増えればと思って株式投資を続けて行ったとしても、億万長者は正直厳しいと思います!
なぜならば、
多くのサラリーマンとの兼業投資家は、ほっといても会社の給料があるので、よほどのへまをしない限り、生活で追い込まれると言うことは少ないからです。
勿論、サラリーマンが楽して給料を貰えるほど、会社は甘くありません。
当然、私もサラリーマンを長く続けてますので、そのことは十分すぎるほど理解しています。
それでも、日本の会社の場合、従業員を唐突に解雇するのは、かなりハードルが高いと言うのが実態です。
そのため、明日からいきなり生活が困窮すると言ったようなことは、通常のサラリーマンの場合は、余り実感し難いと言うのが現実です。
このような生活状況の場合、株式投資に掛ける思いも中途半端ななものになりがちです。
多くの兼業サラリーマン投資家の場合は、会社の給料にプラスαの副収入が得られれば良いな、と言ったレベルで行っていることが多いと思います。
こうなると、株式投資を行う目的や、手法の改善をどの様に行っていくのかと言ったことが、中途半端になりがちです!
例えば、冒頭で述べた
「良い株を買って長く持ち続ける!」
と言うのは、冷静のその言葉を読み解いてみると、投資手法の一つを表現しているに過ぎないのです!
少し、言いたいことが分かって来ましたでしょうか?
現在の状況を把握し、ゴールを明確化し、そこまでの具体的な過程を整理して、愚直に続けて行くことが重要である!
答えを先に行ってしまうと、
現在の自分の状況を把握し、ゴールがどこであるかと言うことを明確化し、そこまでにどのような過程でたどり着くのか!?
と言う事を突き詰めて行き、それを継続して行って行くと言うことが不可欠であると言うことです。
そして、「良い株を見つけて、それを長く保有し続ける」とは、この具体的な過程の一つを表す言葉に過ぎないと言うことなのです!
例えば、先ほどのチャートの場合ですと、

仮に2011年に株価10,000円でこの銘柄を購入し、2019年時点でも保有を続けていたとします。
株価は2019年時点では、25,000円付近まで上昇していますので、8年で2.5倍になったことになります。
では、これで億万長者になれるのでしょうか?
それは、ケーズバイケースとなります。
ここで必要となる情報が、先ほども述べた通り、「自分の状況」と「ゴールがどこであるか」になって来ます。
仮に
・自分の状況:2011年に10,000円を保有
・ゴール:株式投資で1億円を達成
だったとします。
この場合は、2011年時点で運良く、この良質な銘柄を見つけることが出来て投資していたとしても、2019年時点では25,000円にしかなっていません。
億万長者などは、夢のまた夢です!
しかし、
・自分の状況:2011年に50,000,000円を保有
・ゴール:株式投資で1億円を達成
だった場合は、どうでしょうか?
この場合は、2011年に5000株を購入できてますので、2019年には2.5倍となっており、金額に換算すると1.25億円です。
めでたく、「株式投資で1億円」と言うゴールを達成することになります!!
言われてみれば、当たり前すぎる話なのですが、多くの個人投資家が、
この
「自分の状況」
「ゴールがどこであるか」
「どのような具体的な手段で達成していくか」
と言う部分を明確にしないまま、投資を始めてしまうことが多くあるのです!
こうなると、自分の取るべき株式投資の手法において、どの程度のリスクを負った取引をするかが、不透明な状況となってしまいます。
例えば、先ほどの例で言うと、実際に2011年時点で10,000円しか保有していないと言うことは、決してあり得ないとも限りません。
仮に、ここから8年間で億超えを達成したいとする場合、相応のリスクを負った投資をしなければ達成は不可能です。
イメージが湧きやすいところで言うと、
・スキャルピングやデイトレードなどを用いて短期で高速回転させる。
・レバレッジを掛ける(と言っても信用取引は3倍程度ですが・・)
とかとか、色々と考えなければならなそうです。
一方で、現在20歳の人が、90歳までに達成出来れば良いと言うのなら、80年も期間があることになります。
更に、年収も1,000万円あり、余剰資金は株式投資に注入することが可能と言う場合なら、かなりリスクを抑えた投資をして行っても、億超えを達成することは可能そうです!
バフェットもパートナシップを募り、キャッシュを生み出す保険会社を保有していた!
実際に、バフェットも投資パートナシップとして出資を募り、10万5000ドル程度を集めて運用を始めたとされています。
また、バフェットはバークシャーは、傘下にGEICO(ガイコ)と言う自動車保険会社を抑えています。
保険会社は安定したキャッシュを生み出すため、それを元手にバフェットは、投資や買収を繰り返すことがで可能となっているのです。
つまり、先ほどの例で言うと、
・自分の状況:2011年に10,000円を保有。但し、毎月のように多額のキャッシュフローが手元に入って来る。
と言ったような状況となります。
こうなると、毎月入って来る多額のキャッシュフローで、株式を追加購入して行くことが可能となるため、億超えを達成するための手段だ色々と取れるようになってきます。
なお、余談となりますが、バフェットも株を永久保有しているかと言うと、そうとも限りません。
直近で言うと、IBMの株式を売却したことが有名です。
このように、バフェットも保有する株に見切りをつけて売却することも多々あります。
「良い株を買って長く持ち続ける」とは、 投資手法の一つを表現しているに過ぎない!
これらのことからも分かる通り、単純に「良い株を見つけて、それを長く保有し続ければ良い」という文字面だけを読み取って、バカの一つ覚えのように投資をしても、目標を達成することは困難です。
やはり、
「自分の状況」
「ゴールがどこであるか」
「どのような具体的な手段で達成していくか」
この、3点が明確でない限り、仮に良い株を見つけて投資を出来たとしても、ゴールを達成できるかは分かりません。
繰り返しになりますが、「良い株を見つけて、それを長く保有し続ければ良い」は手段でしかありません。
仮に、僅かな資金しかなく、短期で回転率を上げて回して行かなければならない場合は、残念ながら上記の言葉は具体的な手段とはなり得ないのです。
日本において、個人投資家に短期投機家が多いのは、保有資金が少ない中で、短期で資金を稼ぎたいからと言う人が多いからだと思います。
私自身は、長期投資と短期投機のどちらに優劣があるとは思いませんし、結局のところ、本人がどちらの手法で腹を括るかの違いでしかないと思っています。
そのため、短期投機で勝負していくと決めるならば、こうした手法も決して悪いこととは思いません。
それはそれで、理に適っていると思います。
一方で、長期投資をする場合は、短期投機とは、戦い方がまるっきり変わってきます!
私も、どちらかと言うと中長期投資がメインです。
中長期投資は、ファンダメンタル分析を活かせたり、何よりも個人投資家ならではの時間の制約(=年単位で投資結果を求められない)に縛られない投資を行えると言うメリットがあります!
ただ、長期投資をしていると、短期投機と比べて「購入~保有~売却」のサイクルが長くて数も少ないため、株式投資の実践からPDCAを回す期間が間延びしてしまいがちです。
すると、戦略的な長期保有だったのが、単に株式を放置しているだけと言う状況にも陥り兼ねません。
そのため、仮に長期投資で目標を達成すると腹を括った場合は、現在の手法を続けていけば、ゴールを期日までに達成できるかについては、常に目を光らせて行かなければなりません!
恐らくは、サラリーマンと兼業で株式投資を行っている個人投資家が、長期投資によって、億超えを数年間で達成しようとする場合、何らかのの工夫をしながら投資をしなければたどり着かないはずです。
もし保有資産も少なければ、かなり厳しい戦いとなることは明白です。
恐らく銘柄も、長期大型安定株等ではなく、株価が急騰するような小型成長株でなければ厳しいかと思います。
更に分散などしていては、到底、ゴールに達成できないでしょうから、相当に銘柄も集中もしなければなりません。
その上で、更に、ひと工夫も、ふた工夫も必要そうです!
給料から最低限の生活費をのぞいたものは、殆ど株式投資に注入しなければならないかもしれません。
また、発想を転換すれば、原価が殆ど発生しなそうなビジネスをネットで作り、そこからの収入を注入すると言うのもありかもしれません。
更に、発想を転換すると、銀行から融資を引き出し、それで不動産を購入し、それを投資に回すと言う方法もありかもしれません。
勿論、この場合は、基本的に頭金も一定程度必要になりますし、リフォームを工夫して築古物件で利回りを上げるなどの取り組みも必要となるかもしれません。
いずれにせよ、明確に言えることは、しっかりと自分の頭で考えて、具体的なゴールまでの道筋を立てなくてはなりません。
それがあって初めて、株式投資をする意味があるのだと思います。
当然ですが、投資をすること自体が目的であってはならないのです!
こうした、ゴールに対して、自分なりの工夫を凝らした道筋を立て、それを愚直に実行できた者のみが、億万長者という高みに到達できるのだと考えます!